2008 Fiscal Year Annual Research Report
トライボロジー特性向上のための表面テクスチャの創製技術の開発
Project/Area Number |
19360068
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Research Institution | Iwate University |
Principal Investigator |
岩渕 明 Iwate University, 工学部, 教授 (00005555)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
内舘 道正 岩手大学, 工学部, 助教 (30422067)
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Keywords | トライボロジー / 表面・界面 / 機械工作・生産工学 / テクスチャリング / 金型技術 |
Research Abstract |
低摩擦・低摩耗のトライボ表面をテクスチャリング技術によって創製する技術を権立し, 現在の日本のものづくりの基盤となっている金型の長寿命・高精度化を目指して研究を行っている. 具体的には, テクスチャリングの方法としてファイバーレーザーと呼ばれる信頼性に優れるレーザーを用いたテクスチャリング装置を新たに開発し, 規則的なディンプル形状を作成する技術を確立した. また, 一より汎用的・低コストでの加工として, 放電加工と研磨を組み合わせた加工法や, ショットピーニング加工なども検討した. テクスチャリングを施す材料としては, 金型材として用いられるSKD11や被加工材を想定したSUS303を用いた. ボールオンディスクの往復動摩擦摩耗試験の結果として, 放電加工と適度な研磨を組み合わせたテクスチャ面において, 鏡面と比較して約75%の摩擦低減効果が得られた. なお, レーザーを用いた場合では, テクスチャ構造の耐久性に問題があり, あまり良好な結果は得られなかった, 実金型への応用実験においても, レーザーテクスチャによる掘り起こし効果のため, むしろ摩擦抵抗が増加するという結果が得られた. 一方で, ショットピーニング加工を実金型に応用すると, トライボロジー特性の改善が見られることがわかった. すなわち, 規則的な凹凸を付与するよりも, ランダムな凹凸を付与した方が良好な結果が得られた. そのようなトライボ表面を評価するため3次元的な表面形状測定を行い, アボットの負荷曲線などの評価を行った. その結果, 油溜まり部の体積を増やし, 突起部分を減らすことが有効であることを明かにした.
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Research Products
(3 results)