2009 Fiscal Year Annual Research Report
トライボロジー特性向上のための表面テクスチャの創製技術の開発
Project/Area Number |
19360068
|
Research Institution | Iwate University |
Principal Investigator |
岩渕 明 Iwate University, 工学部, 教授 (00005555)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
内舘 道正 岩手大学, 工学部, 助教 (30422067)
|
Keywords | トライボロジー / 表面・界面 / 機械工作・生産工学 / テクスチャリング / 金型技術 |
Research Abstract |
低摩擦・低摩耗のトライボ表面テクスチャリングによる創製技術の確立と,現在の日本のものづくりの基盤となっている金型の長寿命・高精度化を目指して研究を行った. テクスチャリングの方法として,これまでの研究で多く用いられてきたレーザーを用いたディンプル及び溝形状加工(Laser Surface Texturing : LST)に加え,生産性に優れるショットピーニング,放電加工,エンドミル仕上げ面なども試行した.テクスチャリングを施す材料としては,金型産業で多く用いられる工具鋼SKD11を用いた.摩擦摩耗試験装置としてはピンオンディスク型を用い,接触時の剛性評価には油圧式プレス装置を用いた. 実験の結果として,平滑な表面では水潤滑環境下での摩擦係数が0.5以上の値であったが,上記のテクスチャリングを施すことで0.3程度まで低減された.また,低粘度ほどテクスチャリングの効果が大きいことがわかり,産業界で必要とされている水潤滑や低粘度油の使用において大きな摩擦損失低減効果が得られる見通しを得た.テクスチャリングとトライボロジー特性を関係づけるパラメータとして,三次元粗さ曲線に対するアボットの負荷曲線から算出される表面性状の実体体積Vmp及び表面性状の谷部空隙体積Vvvを用い,油潤滑時における油膜破断及び水潤滑時における.流体保持能力,接触面剛性などとの相関を見出した.さらに,粗さを有する表面の弾性接触解析コードを作成し,最適テクスチャリング探索の手法としての可能性を検討した.
|