Research Abstract |
[研究目的]体内埋め込み型の磁気浮上式遠心補助人工心臓の実現を目的として,1)磁気浮上遠心補助人工心臓(血液ポンプ)のチタンフレーム化技術の確立,2)小型化のための磁気軸受およびモータの研究開発を,中心に検討を進める.最終的には,補助循環に必要な100mmHg,5L/minの血流が吐出可能で,世界最小,最高効率,チタンフレーム化により生体適合性も良好で,動物の体内埋め込み試験に耐えうる磁気浮上遠心補助人工心臓を実現することを目標とする. [研究実施計画](1)磁気浮上遠心補助人工心臓(血液ポンプ)のチタンフレーム化技術の確立,(2)さらなる小型化のための磁気軸受およびモータの研究開発,3)積極的なポンプ内の流体力を利用した非制御方法の支持剛性,減衰の増加法の検討を行う. [研究成果]渦電流変位計の計測感度とチタン合金の材質,厚みの関係を実験的に明らかにすることで,チタンフレーム越しに,磁気浮上のためのロータの変位センシングが可能な磁気浮上遠心血液ポンプを実現することに成功した.試作したポンプは,Φ69mm,高さ28.5mmの外形で,100mmHg,5L/minの血液吐出を実現し,豚の鮮血を用いた溶血試験結果から,商用の使い捨て遠心血液ポンプに比較して,約半分の低溶血化を実現した.また,プラスチックフレームながら,上記流量が吐出可能なΦ55mm,高さ25mmの磁気浮上血液ポンプの試作にも成功した.さらに,将来の小型化のため,遠心ポンプなどの扁平状インペラを非接触支持可能な新しいコンパクト1自由度制御型磁気軸受の試作にも成功した.
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