Research Abstract |
体内埋め込み型の磁気浮上式遠心補助人工心臓の実現を目的として,1)磁気浮上遠心補助人工心臓(血液ポンプ)のチタンフレーム化技術の確立,2)更なる小型化のための磁気軸受およびモータの研究開発を,中心に検討を進めた.その結果,昨年度,1)プラスチック仕様ではあるが,φ55mm×高さ25mmの補助人工心臓サイズで,補助循環に必要な100mmH, 5L/minの動作点でのポンプ効率20%の磁気浮上ポンプを実現した,2)φ69×高さ30mmの体内埋め込みに理論上可能なチタンフレーム化した磁気浮上ポンプを実現した.それを受けて,本年度は,更なる血液ポンプの小型化を目指して,磁気軸受およびモータのスペースを低減するため,1)遠心血液ポンプ用1自由度制御型磁気軸受モータの原理を新たに考案し,磁気浮上モータ部分の試作・評価を実施した,2)ポンプ内で回転するインペラの浮上・回転安定性を向上するため,インペラに働く流体力を詳細に計測,解析した,3)インペラの流体力をオブザーバで推定することで,特別な流量計を取り付けることなく,流量測定できるアルゴリズムを開発した.この技術は,将来のポンプ小型化に有効な技術である.さらに,連携研究者(東京医科歯科大学 高谷節雄教授)の磁気浮上血液ポンプを用いた動物補助循環試験に協力するため,上記ポンプの体外設置タイプを複数台製作,提供し,血栓性などの評価も実施し,磁気浮上ポンプにおける血栓の付着がないことを8頭の子牛による動物実験により,検証した.
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