2009 Fiscal Year Annual Research Report
様々な環境にある様々な物質の流動が計算できる数値解法の開発
Project/Area Number |
19360078
|
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
山本 悟 Tohoku University, 大学院・情報科学研究科, 教授 (90192799)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐野 健太郎 東北大学, 大学院・情報科学研究科, 准教授 (00323048)
笹尾 泰洋 東北大学, 大学院・情報科学研究科, 助教 (50431549)
|
Keywords | 数値解法 / 気体 / 液体 / 超臨界流体 / 相変化 / 任意物質 / 任意環境 / 自然対流 |
Research Abstract |
本年度は具体的な問題として、臨界点を跨いだT字管内超臨界水流れを計算した。この流れ場は、超臨界水熱合成によりナノ金属粒子生成する目的で化学工学の分野で実験的研究が行われている。その結果、超臨界水と亜臨界水の間では臨界点を跨いだ相変化が発生し、かつ臨界点近傍における熱物性の特異性が顕著に表れることが計算によりあきらかになった。ところで、熱物性値を計算するために採用しているPROPATHは、そのまま用いても計算の並列化は困難である。我々はデータ参照テーブルをPROPATHから作成し、かつ元のPROPATHの精度を維持することができる計算アルゴリズムの開発にした。本アルゴリズムを用いることにより、PROPATHを直接計算する場合と比較して、最大160倍計算速度を加速することに成功した。もう一つの具体的な問題として、RESS法として知られている超臨界二酸化炭素を用いたナノポリマー粒子生成プロセスにおける流動を計算した。本プロセスでは、ポリマー物質が溶融した超臨界二酸化炭素をノズルから噴出して超音速膨張させることによりナノ粒子を生成させる。流れ場は静止状態の超臨界二酸化炭素から超音速の二酸化炭素気体へと急激に変化する。2DSC+を本流動に適用して計算したところ、ノズル内における超臨界状態から気体への相変化を熱物性値に正確に計算することに成功した。さらに、超臨界流動場に形成されるマッハディスクを捕獲することにも成功した。マッハディスクの位置を既存の実験結果と比較したところ、極めて良い一致を示した。
|