2007 Fiscal Year Annual Research Report
計測融合連成解析による生体内血流場の経時的挙動の解明
Project/Area Number |
19360080
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
早瀬 敏幸 Tohoku University, 流体科学研究所, 教授 (30135313)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
白井 敦 東北大学, 流体科学研究所, 准教授 (20302226)
太田 信 東北大学, 流体科学研究所, 准教授 (20400418)
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Keywords | 計測融合解析 / 連成解析 / 血流 / 経時的挙動 |
Research Abstract |
平成19年度は、血管壁の粘弾性パラメータが未知の場合を考えた。正確な数学モデルが既知の場合は、計測融合シミュレーションのフィードバック信号は、計算結果の収束に伴ってOに漸近するが、数学モデルに誤差がある場合は、フィードバック信号は有限の値に留まるため、過渡状態経過後のフィードバック信号の大きさを数学モデルの誤差の指標として、フィーバック信号の定常値を減少させるよう血管壁の粘弾性パラメータを変化させて数学モデルを修正し、最終的に正しい数学モデルを得るモデル適応機構を構築した。本年度は、本手法の妥当性を検証するため、直円管を用いた数値実験を行なった。座標系は軸対称の円筒座標を用いた。構造モデルとしては、単純なばね・ダンパ系(フォークトモデル)とし、壁面の各計算セルに接続した。血管の物性値は独立に設定可能であるが、最初は全て同一であるとした。最初に基準解として、動脈硬化によりばね定数が通常の値より増加したとして、計算を行なった。流入条件としては単純な正弦波状の流量変化を与えた。血管内部の圧力変動に伴う血管変形が再現できた。次に、血管パラメータが未知として通常の値を仮定し、血管変形の基準解との誤差に比例したフィードバック力を与えて計算を行ったところ、フィードバックゲインの増加と共に、血管変形の誤差が減少した。ただし、過度なフィードバックゲインに対しては系が不安定となり解が発散した。最後に、流入速度境界条件も未知であるとし、超音波ビーム方向の速度フィードバックを行った場合にも、良好な収束性が得られ、流体構造連成計測融合シミュレーションの妥当性を数値実験で検証することが出来た。
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Research Products
(7 results)