2008 Fiscal Year Annual Research Report
計測融合連成解析による生体内血流場の経時的挙動の解明
Project/Area Number |
19360080
|
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
早瀬 敏幸 Tohoku University, 流体科学研究所, 教授 (30135313)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
白井 敦 東北大学, 流体科学研究所, 准教授 (20302226)
太田 信 東北大学, 流体科学研究所, 准教授 (20400418)
|
Keywords | 計測融合解析 / 連成解析 / 血流 / 経時的挙動 |
Research Abstract |
本研究課題においては、血管壁と血管内の血流について、血管壁の粘弾性特性や、圧力、速度境界条件が未知の条件下で、医療用超音波診断装置の計測結果を構造・流体連成数値解析にフィードバックすることにより、生体内の血管物性値と血流動態を正確に再現する計測融合連成解析手法を構築して血管物性値と血流構造の経時変化を解明し、循環器系疾患の機序や治療法の解明に資することを目標とする。平成20年度における血管モデルを用いた計測融合連成解析の検証実験では、最初に、等方かつ一様な物性値をもつ血管モデルで実験を行うためのモデル材料について検討を行つた。超音波計測を生体と同一の条件化で行なうためには、音速、減衰率、散乱等の特性を生体の条件と一致させる必要がある。本研究では、これまでの検討結果を基に、PVA-ハイドロゲルを用いて血管モデル材料の検討を行った。PVA濃度、散乱ビーズ濃度、等を調整することにより、所要の特性を得ることが出来た。また、血管の持つ非等方性、粘弾性特性を再現するための検討を行った。繊維素材を内部に混入した複合PVA材料を製作し、粘弾性特性を計測した。その結果、生体の血管が持つ特性を本手法により実現できる可能性が示唆された。また血管の物性値が局所的に病変により変化した状況を模擬するため、場所により材料特性が変化したモデル血管材料の製作方法について検討した。その結果、材料硬化の処理を局所的に異なった条件で行うことで解決できるとの見通しを得た。
|