2009 Fiscal Year Annual Research Report
計測融合連成解析による生体内血流場の経時的挙動の解明
Project/Area Number |
19360080
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
早瀬 敏幸 東北大学, 流体科学研究所, 教授 (30135313)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
白井 敦 東北大学, 流体科学研究所, 准教授 (20302226)
太田 信 東北大学, 流体科学研究所, 准教授 (20400418)
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Keywords | 計測融合解析 / 連成解析 / 血流 / 経時的挙動 |
Research Abstract |
本研究課題においては、血管壁と血管内の血流について、血管壁の粘弾性特性や、圧力、速度境界条件が未知の条件下で、医療用超音波診断装置の計測結果を構造・流体連成数値解析にフィードバックすることにより、生体内の血管物性値と血流動態を正確に再現する計測融合連成解析手法を構築して血管物性値と血流構造の経時変化を解明し、循環器系疾患の機序や治療法の解明に資することを目標とする。平成21年度は、超音波診断装置の超音波プローブの3次元位置計測に基づく実際の血管の3次元形状の再構築を可能とし、その計測結果に基づく超音波計測融合流体構造連成解析を実現した。従来、フィードバックゲインの増加に伴い、計測融合シミュレーションのが不安定化して、十分なフィードバックゲインを用いることができないという問題があったが、数値解析手法の安定性に関する理論解析により、不安定化のメカニズムを明らかにするとともに、不安定現象の発生しないアルゴリズムを構築することができた。さらに、また、頸動脈血流の臨床データに基づく超音波計測連成シミュレーションを行い、超音波計測や通常の血流シミュレーション単独では正確な解析が困難な壁せん断応力が正確に予測できるようになった。その結果、OSIと呼ばれる壁せん断応力の時間変化パラメータおよび壁せん断応力の最大値を用いて、動脈硬化や血管狭窄などの病変との相関を示す診断パラメータが明らかとなった。本成果により、循環器系疾患の経時変化を定量的に評価できる可能性が示された。
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Research Products
(43 results)