2007 Fiscal Year Annual Research Report
再生軟骨組織発達における輸送現象と物理刺激応答のモデリング
Project/Area Number |
19360087
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
渡部 正夫 Hokkaido University, 大学院・工学研究科, 准教授 (30274484)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
澤江 義則 九州大学, 大学院・工学研究院, 准教授 (10284530)
坂井 伸朗 九州大学, 大学院・工学研究院, 助教 (60346814)
真田 俊之 静岡大学, 工学部, 助教 (50403978)
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Keywords | 再生医療 / 軟骨細胞 / 輸送現象 / 拡散 / 可視化 / モデリング |
Research Abstract |
再生軟骨組織発達における輸送現象の可視化および定量化を行い,得られた実験データを基礎として物理刺激応答のモデリングを行うことを,本課題の目的としている.本年度は(1)「組織培養の基本プロトコルの作成」,(2)「輸送現象観測システムの構築」,(3)「流体チャンパ開発」を行った. 牛足関節軟骨より単離した軟骨細胞を,担体である高分子アガロースゲル中に播種し,一定期間培養することにより再生軟骨組織を作るプロトコルを作成した.得られた再生軟骨組織内部の輸送現象を観察するために,輸送現象観測システムを構築した.輸送現象観測システムを構築するにあたって,視野内蛍光画像強度の均一性が重要となるが,主に収差が原因となり画像中心部と辺縁部で画像強度に有意な差が生じてしまうことを防ぐために画像取得方法を開発し,同時に画像処理プロセスを構築した.これにより,得られた画像強度より輸送現象を十分な精度で定量化することが可能となった.輸送現象としては,拡散と移流の二つに焦点をあてて研究を進めているが,本年度は特に拡散輸送現象を観察するための流体チャンバを開発し,拡散輸送現象の可視化を行った.拡散輸送現象の可視化は,得られた画像強度を数値化し,強度分布の時間変化と拡散方程式の解とを用いることにより,誤差関数にフィッティングすることにより拡散係数を求めることにより,数値化を行った.得られた拡散係数を,FRAP(Fluorescence Recovery After Photobleaching)により得られた結果と比較することにより,妥当な大きさであることを確認した. 培養条件および用いるアガロースゲルの種類によって,組織発達の程度に大きな差異が生じることを観察した.この発達の程度と拡散輸送現象とは強い相関があることを観察し,輸送現象が組織発達に大きな役割を果たしていることを示した.
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[Presentation] 再生軟骨内における拡散輸送現象2008
Author(s)
渡部将平, 北島洋佑, 野林真, 澤江義則, 村上輝夫, 渡部正夫
Organizer
日本機械学会第20回バイオエンジニアリング講演会
Place of Presentation
芝浦工業大学豊洲キャンパス, 東京都江東区
Year and Date
2008-01-08
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