2009 Fiscal Year Annual Research Report
水中衝撃波を利用した血流内薬物搬送用含気マイクロカプセル破壊と薬物導入機構の解明
Project/Area Number |
19360088
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Research Institution | Kyushu Institute of Technology |
Principal Investigator |
玉川 雅章 Kyushu Institute of Technology, 大学院・生命体工学研究科, 教授 (80227264)
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Keywords | 衝撃波 / DDS / マイクロカプセル |
Research Abstract |
昨年度までの研究実績(衝撃波DDS用カプセル生成およびカプセル内の封入技術確立と曲率弾性壁近傍での気泡変形挙動現象の基礎的研究)に引き続き,衝撃波管または超音波素子で発生させた平面衝撃波を水中内の静止・移動しているナノドラッグ・マイクロカプセルに作用させ,その変形挙動ならびに破壊挙動の観察を目的として本年度の以下の結果となった. 1. 衝撃波によるマイクロカプセルの変形挙動の観察(超音波素子を用いた変形挙動の観察)と流体回路内部での観察実験 超音波素子を用いて衝撃波を発生させて,これまでに作成したマイクロカプセル(数十~200μm)に作用させ,そのときの変形挙動および破壊を光学レンズの拡大と高速度カメラにより観察し,圧力振幅や立ち上がり周波数などの条件を変化させて,その挙動変化を調べた.超音波素子の制御による破壊への影響の微視的な観察(作用後)には成功したが,顕微鏡下においては光量不足が続いているため,時間分解能を下げて,撮影時間を長めにとることで,気泡とマイクロカプセルの変形挙動を捕らえることができた.しかしながら,高周波に対する気泡およびマイクロカプセル変形が時間平均的なものとなるためより時間分解能を高くすべく光学系の変更を行っている. 一方で,流体回路内部での観察実験に関しては,外部より超音波素子を作用したときの変形挙動そのものは移動速度を毛細管レベルの血流の程度(Reが1より小さい)程度で観察できるが,移動速度の上昇にともなうせん断応力の影響については別途CFDで調べる予定である.また,一方で薬物導入に必要な破砕効率のマクロ的評価については,カプセル数が少ないためその濃度比較ができないので,今年度は,これまでに比べてカプセル数を増やして,漏出濃度による比較を行う予定である.
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