2010 Fiscal Year Annual Research Report
水中衝撃波を利用した血流内薬物搬送用含気マイクロカプセル破壊と薬物導入機構の解明
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19360088
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Research Institution | Kyushu Institute of Technology |
Principal Investigator |
玉川 雅章 九州工業大学, 大学院・生命体工学研究科, 教授 (80227264)
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Keywords | 衝撃波 / DDS / マイクロカプセル |
Research Abstract |
昨年度までの研究実績(衝撃波DDS用カプセル生成およびカプセル内の封入技術確立と曲率弾性壁近傍での気泡変形挙動現象の基礎的研究と超音波素子による気泡変形挙動の基礎実験)に引き続き,薬剤の漏出に関する最終の試験を行うためにこれまでと素材の異なるリポソームを膜剤と使用してカプセル生成を行い,以下の結果となった. (1)小さい直径の高分子型衝撃波DDS用マイクロカプセルの開発 これまでに作成したマイクロカプセル(数十~200μm)よりも小さいカプセルを生成し(50μm程度)これに超音波素子を用いて衝撃波を作用させ,内部の気泡の変形挙動を観察し,圧力振幅や立ち上がり周波数などの条件を変化させて,その挙動変化を調べた.光量低下を防ぐためシャッター時間を長めにとることで,気泡とマイクロカプセルの時間平均的変形挙動を捕らえることができ,その結果からは,直径50μm程度になると内部気泡とカプセル膜との全体的な物理的距離が小さくなり,気泡変形挙動が抑制され破壊に至ることはないものの(機械的指標MI=0.03),気泡の一部は先鋭な部分が存在することがわかった (2)リポソーム型カプセルの創成と変形挙動と破壊 薬物導入については,最終製品としては,リポソームの膜剤を使って行うことを予定しているため,気泡内包の直径数μmのリポソーム型カプセル(DPPE)を創成した,また,参照として内部が気体が100%のソナゾイド(造影剤)を用いた.衝撃波の作用の前に超音波作用を行ったところ,破壊・変形挙動については今回作成した新型のカプセルの方が同じMI値に対して,時間あたりの破壊効率が2倍程度であることが工学的カプセルの破壊計測から判明した.また,特定の周波数についてカプセルが共振していることからいずれのカプセル(DPPEとソナゾイド)についても破壊が同様の形態であることがわかった
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