2007 Fiscal Year Annual Research Report
疑似血管デバイスを用いた内皮細胞と流れによる刺激との相互作用の解明
Project/Area Number |
19360089
|
Research Institution | Kogakuin University |
Principal Investigator |
杉井 康彦 Kogakuin University, 総合研究所, 准教授 (90345108)
|
Keywords | 血流 / 内皮細胞 / マイクロPIV / マイクロチャンネル / 配向性 / 細胞培養 |
Research Abstract |
動脈硬化や脳梗塞、心筋梗塞などと言った循環器系疾患の原因として考えられている血流による刺激と内皮細胞の応答の関係を調べるために、マイクロチップ内で血管の表面の細胞である内皮細胞を培養した疑似血管デバイスを開発した。マイクロ加工装置を用いて流路幅400μm、深さ100μmの直線流路から成るPDMS製マイクロチップを作成し、その内部で内皮細胞の培養を行った。特に、マイクロチャンネル内側の壁面の細胞の接着性を高めるコーティング法や、コンタミや気泡の混入を防ぐ培地などの還流方法を検討した。この結果、非常に狭い空間においても、細胞が成長しこれ以上増殖できない状態であるコンフルエントになり、細胞の培養技術を確立できた。これにより、微小循環を模擬できるin vitroシステムと循環器系疾患の原因などに利用が可能となる。さらに、光学顕微鏡、高感度CCDカメラ、ダブルパルスレーザから成るマイクロPIVシステムを構築して、マイクロチップ内で培養した内皮細胞近傍の速度分布を計測した。細胞の3次元形状による速度分布の変化が観察され、十分な精度が得られていることを確認した。これにより、細胞にかかる血流の刺激であるせん断応力を計測することが可能となる。また、マイクロチップ内の培地の流量を変化させることによって、細胞にかかる流体からの刺激を変化させて、細胞の配向性や形状の違いを計測した。特に、細胞の形状を計測するために、細胞膜の染色法や共焦点レーザ顕微鏡を用いた計測などを検討した。せん断応力が大きくなるにつれて、細胞が流れ方向に配向し、細長く伸びることを確認した。
|
Research Products
(4 results)