Research Abstract |
本研究では,まず液晶の粘性係数を精密測定し,続いてアクチュエータとして"平板移動装置"と"モータ"を取り上げ,それらの動特性とエネルギー効率を数値計算と実験の両面から検討し,最後に液晶アクチュエータの研究室プロトタイプの概略設計を目的とした。 1.液晶の粘度測定 現有設備であるレオロジー測定装置を用いて,液晶の粘性係数を測定した。電場を印加することによって,液晶分子が流動方向に配向している場合と,速度こう配方向に配向している場合について測定し,配向方向による粘度の違いを確認した。なお,実験に用いた液晶は,4-cyano-4'-n-pentyl biphenyl(5CB)である。 2.数値計算 平行平板間流れ,同心二重円管内流れを計算するためのプログラミングを行った,本研究室で従来構築した各種プログラムを利用することでプログラミングの効率化、省力化を図った,印加電圧,液晶の物性値(粘性係数,弾性定数,誘電率の異方性等),アクチュエータの寸法等を広範囲に変化させて,壁面せん断応力,壁面移動速度,回転角速度,トルク等の動特性を数値計算用コンピュータで見積った。 3.アクチュエータの概略設計 平板移動装置については平板の間隔が,モータについては内外筒の間隙が数十μm〜数百μmのものを各約10種類製作した,製作の容易さから全体寸法をミリオーダーに設定したが,液晶部の間隔は上記の通りであるので,今後マイクロサイズへのスケールダウンは可能である。
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