2008 Fiscal Year Annual Research Report
MEMSガス拡散層を用いたPEFC内輸送現象基礎研究の新展開
Project/Area Number |
19360095
|
Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
伏信 一慶 Tokyo Institute of Technology, 大学院・理工学研究科, 准教授 (50280996)
|
Keywords | 燃料電池 / MEMS技術 / 可視化 / 微細加工 |
Research Abstract |
当初計画に従い、初年度に構築した実験系を用い、様々な設計パラメータのチタン薄膜拡散層を用いたセル試験を行った。まず基本的な動作特性を明らかにするために、スルーホール径、ピッチ、空隙率、膜厚等を変えることで、膜厚方向の1次元輸送に基づいた過電圧モデル構築のためのパラメトリックな実験的検討を行った。この中で、穴径、空孔率、膜厚などのパラメータが及ぼす影響に付いて、定量的なデータ取得ができた。今回の実験範囲では、小さく、多く、また薄くすることで性能向上が認められる。また、サンプル大量供給のためにレーザ加工によるスルーホール大量生成のための透過媒質中の挙動について、具体的なシステムの検討を行った。温度場等の操作により、光強度を維持しつつビーム径を絞る可能性が見出された。また、1cm四方の反応領域全体を可視化しつつGDLスルーホール内を分解可能な広領域顕微CCD(現有)により、発電時の触媒層表面ならびにGDL内部における凝縮水生成挙動を時系列可視化した。このとき定電流でのセル起電力計測をシンクロし、さらに、顕微型サーモトレーサによるGDLスルーホールを通じての触媒層表面の温度場直接可視化を行い、スルーホールスケールでの液水挙動が確かにセル動作に影響を与えていることが実証できた。実験の過程で、液水の排除により高電流密度においてもセル電圧を維持できる可能性も示されている。以上の検討により、最終年度の現象解明に向けた実験的検討を順調に遂行した。
|
Research Products
(3 results)