2008 Fiscal Year Annual Research Report
マイクロキャビティ選択波長擬似近接場光効果の発現と高密度光起電力発電の開発
Project/Area Number |
19360096
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
花村 克悟 Tokyo Institute of Technology, 炭素循環エネルギー研究センター, 教授 (20172950)
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Keywords | 近接場光 / マイクロキャビティ / エネルギー変換 / 波長選択 / 熱光起電力電池 |
Research Abstract |
本研究は,金属表面に製作されたマイクロキャビティ近傍に生ずる擬似近接場光強度とその波長選択性を,ここで開発された真空型近接場走査光学顕微鏡を用いて明らかにするとともに近接場効果を効果的に利用できる熱光起電力電池を独自に製作し,これらを組み合わせて新規なエネルギー変換システムを構築することを目的としている.本年度は, 10^<-1>Paオーダーの真空下で上記マイクロキャビティのトポロジー像が取得できた.また,本研究を通して開発された、金属内部からの放射を考慮した電磁波の数値計算プログラムが,測定された放射強度の角度依存性や,酸化薄膜を介した干渉放射強度を精度よく表現できること,ならびに上記マイクロキャビティからの擬似近接場光(エバネッセント波)強度が通常の伝播光強度に比べて,桁違いに大きいことが明らかとなった.さらに,既存の設備である分子線エピタキシャル装置を用いて, 1.8μmまでの赤外線を電気に変換できるGaSb系の熱光起電力電池を製作し,本研究で開発された黒体炉を利用した半球等強度入射黒体光源(通常の伝播光源)を使って,可視域から1.8μmの波長帯では4%の発電効率となることが明らかになった.さらに発電可能な波長範囲を広げるためにInGaSbの電池を製作し,その発電にも成功した.これらマイクロキャビティ放射面と電池表面をナノオーダーまで近づけることによって近接場光(エバネッセント波)エネルギー変換システムが可能となり,その発電密度が格段に大きくなることが示唆された.
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