2008 Fiscal Year Annual Research Report
多孔質体の応用および生体内輸送機構の解明のための熱分散のモデリングと実験的検証
Project/Area Number |
19360099
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Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
中山 顕 Shizuoka University, 工学部, 教授 (60155877)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
桑原 不二朗 静岡大学, 工学部, 准教授 (70215119)
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Keywords | 多孔質体 / 機械的分散 / 濃度計測 / 流れの可視化 / 数値シミュレーション |
Research Abstract |
本年度は未だ未知な部分が多い気道内の輸送現象に着目し,実験と解析の両側面から検討した.気管は肺胞に至るまで23回程分岐する.このように,分岐管の数が極めて多数であること,また,その管径の減少に応じて局所レイノルズ数が大きく変化することなどから,気道内の流れの全容を把握することは極めて難しい.加えて,気道内の速度の非一様性に起因する機械的分散効果は気道内のガス輸送現象を複雑に支配的している.今年度は気道内の輸送現象に関わるこれらの未解決問題に注目し,実験を実施し,理論との比較・検討を行った. まず,気道流路のモデルとして矩形断面を有する水路を作成し,ローダミンB水溶液を用いた拡散係数の測定を行った.二箇所の可視化画像をモーメント法に基づき画像処理することで見かけの軸方向拡散係数を得ることに成功した.こうして得られた見かけの軸方向拡散係数が平均速度の二乗に比例し増加することを見出し,テーラーの機械的分散の理論が成立することを示した. さらに,Navier-Stokesの式を用いて直接数値解析した数分岐までの結果を,その下流で多孔質体モデル近似に基づくVafai-Tienの式の結果に接続するという,ハイブリッド法を提案した.これにより,肺胞に至るまでの計算を始めて可能とした.
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Research Products
(4 results)