Research Abstract |
本研究では,主流と支流の流体を,エレメントを用いずに,周期的流れを用いてカオス的に混合するノンエレメントミキサーについて,レーザシート法を用いて二次元的に現象解明し,主流と支流の界面の長さを測定することにより混合度の評価を行ってきた.レーザシートを流れと平行に照射して得られる主流管の中心軸を含む断面および流れと垂直に照射することによって得られる流れに垂直な断面の主流と支流の界面を可視化し,混合の様子を検討してきた.しかしながら,その結果は,ノンエレメントミキサーは現象が三次元的であることから,二次元的な解明では不十分であることが示唆した.そこで,本年度は,流れに垂直方向の混合の様子をレーザシート法により可視化し,レーザシートとビデオカメラをリニアレール上に設置して定速で現象に対して十分に速く流れ方向に走査することにより,垂直方向の混合の様子を流れ方向に200枚程度撮影し,その撮影された垂直断面像を,いわゆる断層画像として,三次元化ソフトウエアを用いて,三次元的に可視化した.また,撮影した垂直断面像を用いて,主流と支流の界面の面積を定量化した.その結果,三次元的に求めた界面の面積と従来二次元的に求めてきた界面長さの時間的な増加傾向は一致せず,混合度の正確な評価のためには,三次元的な界面の面積を求める必要があることが明らかとなった.また,実験結果と同様な条件について数値解析を行った.その結果,数値解析結果は,実験結果とよく対応する結果を得ることができた.以上述べたように,本研究では,ノンエレメントミキサーの混合過程を三次元可視化実験,三次元数値解析によって詳細に解明することができ,また三次元像を用いて界面の面積を評価することにより,その混合度をより正確に評価できること示すことができ,本研究の当初の目的を達成することができた.
|