2007 Fiscal Year Annual Research Report
新しいエネルギ消散原理を用いたダンパ(コロイダルダンパ)の開発研究
Project/Area Number |
19360111
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Research Institution | Kansai University |
Principal Investigator |
岩壷 卓三 Kansai University, システム理工学部, 教授 (00031097)
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Keywords | ダンパ / コロイダルダンパ / 疎水性シリカゲル / 水・グリセリン・ホルムアミド / 接触角ヒステリシス / 分子動力学シミュレーション / 静特性・動特性 |
Research Abstract |
科研費基盤研究B(平成16〜19年)の最終年度で行う予定であった研究計画に新規計画を加えて、ダンパメカニズムとして、シリカゲルの耐久性の観点からシリカゲルがピストンとシリンダの間にはさまって破損しないようなメカニズムに改良し、さらに水に空気が含まれにくいように組立てた場合のコロイダルダンパの動特性実験を行い、シリカゲルが破損しなくなったと共に空気を少なくすることによってコロイダルダンパの減衰効率も上昇することがわかった。さらにオイルダンパとの特性比較を行い、両ダンパの特徴を明らかにした。また、シリカゲルと水溶液の比および総量を変更した場合の実験を行い、最適な比率および最適な総量が存在することが明らかとなった。次に、自動車の一輪をモデル化したダンパシステムの実験を行い、実用化に向けての問題点の洗い出しを行い、コロイダルダンパの研究方針を新しく定めることができると共に、コロイダルダンパの数学モデル式の作成を行ったが、系が履歴特性を持つ非線形であるため、精度の良いモデルは作ることができなかった。分子の集合体によりシリカゲルで細穴を作り、その中へ水クラスタを入れるシミュレーションで前年度は圧力や温度の関係をうまく表現するシミュレーションができていなかったが、本年度はそれを実現する技術を確立し、さらに疎水性コーティング、親水性コーティングの違いを表わすシミュレーション技術を確立し、コロイダルダンパの開発に役立つシミュレーション技術に向けて進めることができた。新しく継続する研究として自動車の前面衝突時の緩衝装置を想定して時速30km/hまで実験できるロングストロークのコロイダルダンパの設計およびそれを実験できる実験装置の設計を行った。
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