2009 Fiscal Year Annual Research Report
新しいエネルギ消散原理を用いたダンパ(コロイダルダンパ)の開発研究
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19360111
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Research Institution | Kansai University |
Principal Investigator |
岩壺 卓三 Kansai University, システム理工学部, 教授 (00031097)
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Keywords | ダンパ / コロイダルダンパ / 疎水性シリカゲル / 水・グリセリンホルミアミド / 接触角ヒステリシス / 分子動力学シミュレーション / 静特性・動特性 |
Research Abstract |
昨年はコロイダルダンパの自動車への実用化のために、一輪にモデル化したサスペンションシステムの実験を行い、実験装置の改良設計を行った。本年度は改良された装置で実験を行い、周波数応答、応答のリサージュの良い結果が得られ、ヒステリシスを有する複雑なダンパの特性が明らかになった。 自動車が正面衝突した時の衝撃を緩和するためのダンパ用として、コロイダルダンパの応用を考えた。すなわち自動車が40km/hで衝突した時を想定し、その時の緩和効果を新しく設計したダンパを用いて行った。その結果、基本的なデータは取れ、それについては発表を行ったが、次のステップとして静的実験や繰り返し振動実験では現れなかった新しい現象が現れた。従ってその現象の解析のための実験及び対策を行う必要がでてきた。 分子動力学を用いた細孔内の表面張力計算シミュレーションでは、分子の集合体によりシリカゲルで細穴を作り、その中へ水クラスタを入れるシミュレーションで、本年度は圧力と温度の関係をうまく表現する技術を確立し、さらに疎水性コーティング、親水性コーティングの違いを表わすシミュレーション技術を確立し、コロイダルダンパの開発に役立つシミュレーション技術に向けて進めることができた。計算時間を短縮できるユニファイドモレキュラー手法を提案し、発表を行った。また、この手法の実用性の証明を行って実験結果と定性的に合うことがわかった。今後この成果を発表する予定である。
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