2010 Fiscal Year Annual Research Report
新しいエネルギ消散原理を用いたダンパ(コロイダルダンパ)の開発研究
Project/Area Number |
19360111
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Research Institution | Kansai University |
Principal Investigator |
岩壺 卓三 関西大学, システム理工学部, 教授 (00031097)
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Keywords | ダンパ / コロイダルダンパ / 疎水性シリカゲル / 水・グリセリン・ホルムアミド / 接触角ヒステリシス / 分子動力学シミュレーション / 静特性・動特性 |
Research Abstract |
今年度は最終年度であるので、当初申請した研究目的が完成できるように行った。コロイダルダンパは従来のダンパと特性が異なるため、設計手法かない事、ダンパの主要素である疎水化されたシリカゲルで吸収されるエネルギはシリカゲルの量に比例する事から、従来の設計手法とは異なる。コロイダルダンパの設計手法を振動緩和用と衝撃緩和用の両者について開発した。すなわち、振動緩和用では乗用車のホイールと車体の間に用いられるバネ・ダンパ系を例に、設計手法の開発を行った。先ず一例として、今までに得られたダンパの特性を設計に用いることかできる様に構造減衰モデルで近似した特性図を作った。ダンパで発生する力はシリンダの断面積に比例するため、シリンダの断面積を系の最低次の固有振動数が設定した値に満足するように求め、次にストロークが設計条件を満足するようにシリンダのストローク及び最大容量を決める手法を提案した。 次に衝突時の衝撃吸収用のコロイダルダンパの設計ではダンパを構造減衰モデルに近似し、sin半波の応答を基に設計仕様の最大許容加速度か満たされるようにダンピング定数とバネ定数を決め、それからダンパの断面積とシリンダのストローク、シリカゲルの量を決める手法を提案した。これらの成果は次年度に発表の予定である。 次に分子動力学を用いたシリカゲル細孔内の流動解析では、提案したユニファイドモデルと従来の分子動力学の解析結果の誤差を縮めるためにポテンシャル関数の近似精度を上げる研究を行ったが、疎性化のための分子と水を表わす粒子の間に大きな差があるためか、差を縮めることができなかったので今後の課題となる。しかしシリカゲルの細孔の直径を決めるという初期の目的に対しては一応実験と理論か一致したので、その値を用いて設計する事ができた。
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Research Products
(2 results)