2008 Fiscal Year Annual Research Report
個体発生過程をモチーフとした自己組み立てへのダイナミカルアプローチ
Project/Area Number |
19360112
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
石黒 章夫 Tohoku University, 大学院・工学研究科, 教授 (90232280)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
清水 正宏 東北大学, 大学院・工学研究科, 助教 (50447140)
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Keywords | 自己組み立て / 自己修復 / 群ロボット / ダイナミカルアプローチ / 自律分散制御 / 創発 / 非線形振動子 / 相互引き込み |
Research Abstract |
本研究の目的は, 生物の個体発生過程をモチーフとして, 幾何学的に複雑な形態への安定かつ自発的な自己組み立てを実現する群ロボットの構築をダイナミカルアプローチの立場から議論することである. 以下, 本年度に得られた研究成果を具体的に示す : 1. 非線形振動子の相互引き込みを活用した凝集力の誘起, ならびに群ロボットを構成するロボット間の物理的な相互作用を活用することで, 自己組み立てを完全自律分散的に実現する, ダイナミカルアプローチに基づく制御方策を提唱した. 2. 各ロボットに受動的な変形機能を持たせることで, 安定かつ迅速な最安定形態への収束が実現できることを, シミュレーション実験を通して示した. このことは, アルゴリズムとして明示的に書かれる制御則以外にも, 物理的な受動性や可変形性に内在する非明示的な制御則をも併せて実装することの必要性を示す重要な結果である. 3. 実験的に妥当性を検証するための群ロボットを設計した. 提案する自己組み立てと自己修復を実現するために, 各ロボットには全方向移動を可能とするオムニホイールを, そして近傍のロボットと通信するための赤外線通信ユニットを実装した 4. 実験的に検証するために, 20台の群ロボットを製作した. 5. 20台の群ロボットを用いて, 任意の初期形態から円盤状形態へと自発的な自己組み立てが行われることを実験的に確認した. 併せて, 自己修復能力も有していることも実験的に確認した. これらはすべて本研究で提案した完全自律分散的な制御によって実現することができた.
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