2007 Fiscal Year Annual Research Report
光波混合非線形レーザ顕微鏡によるナノバイオイメージング
Project/Area Number |
19360113
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Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
江上 力 Shizuoka University, 工学部, 准教授 (70262798)
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Keywords | 顕微鏡 / 非線形光学 |
Research Abstract |
19年度の科学研究費助成により,光波混合非線形レーザ顕微鏡によるナノバイオイメージングの研究開発を行い,下記に挙げるレーザ顕微鏡の超高空間分解能化についての成果を得ることができた。 通常の共焦点顕微鏡システムでは回折限界(ほぼエアリディスク径:使用波長程度)を超えるサイズの微小吸収体を検出するには蛍光体等のドーパントを添加し,発光領域を空間的に制限しなければならなかった。ところが,本提案システムでは同顕微システムに二光波対向型の光波混合系をプラスすることで上記限界を超える分解能を達成できる可能性があることが基礎実験から示唆された。通常は対向二光波が励起光の役割をし,走査光がプローブの役割をするが,本システムでは対向二光波は単に位相整合を満たすためだけの働きをし,集光走査光がプローブ兼励起の役割を果たす全く新しいシステムを導入した。実際には数百nmサイズの微小色素吸収体を厚膜ポリマ内に点在させ,その形状および位置を検出することで,同顕微鏡の分解能向上を確認した。今年度は光軸方向のみではあるが,従来技術の顕微分解能の壁を打破できる新技術開発の糸口をつかんだ。そのブレークスルーとして次年度は偏光干渉法を利用した光波混合共焦点顕微光学系の導入を試み,面内方向のコントラスト、分解能の向上を図る予定である。本研究についての今年度の成果は国際会議(Micro Optics Conference2007)で発表され,併せて現在国際会議(Frontier in Optics 2008)に投稿中である。
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