2009 Fiscal Year Annual Research Report
ヒトの触知覚特性に対応したリアルタイム因子抽出に基づく遠隔触覚伝達法
Project/Area Number |
19360120
|
Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
前野 隆司 Keio University, システムデザイン・マネジメント研究科, 教授 (20276413)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
昆陽 雅司 東北大学, 大学院・情報科学研究科, 助教 (20400301)
|
Keywords | 触覚 / センサ / 触覚ディスプレイ / 遠隔操作 |
Research Abstract |
粗さ感・摩擦感・硬軟感を含む複数の触覚因子を統合したマスタ・スレーブ型触感伝達システムを開発した.このシステムでは,スレーブ側の触覚センサで,物理因子(振動の波長と振幅,動摩擦係数,ばね定数)をリアルタイムに推定し,マスタ側に伝達する.マスタ側では,伝達された物理因子と,操作者の触運動から触刺激を生成するローカルモデルを触覚因子ごとに実装し,統合した.その結果,複数の布素材やエンボス紙を60~90%程度で識別できること,因子数を増やすほど識別率が向上することを確認した. また,触覚伝達の通信遅延が触感に及ぼす影響を心理物理実験により調査した.触運動時に触覚フィードバックに遅延を設けると,その検知限は60ms程度であるが,それよりも短い40ms程度の遅延で,遅延ではないが触感の変化として知覚される領域が存在することを明らかにした. さらに,マスタ・スレーブシステムのアプリケーション例を探るために,ブレインストーミングやマインドマップを用いて触覚遠隔伝達のニーズ調査を行った.また,その結果を分類した.その結果,一般には触りにくいものを触るというニーズが大きいことを明らかにした.これを検証するために,生きたカメと剥製のカメをマスタ・スレーブシステムを介して触る実験を行った。その結果,生きたカメを触った時の方が,より好奇心を満たされること,力覚のみを提示する場合と比べて,本システムを用いて触覚を提示したときのほうがより満足度が高いことなどを明らかにした.
|
Research Products
(16 results)