2007 Fiscal Year Annual Research Report
リチウムイオン二次電池の過渡動作特性シミュレータの構築
Project/Area Number |
19360129
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Research Institution | Toyohashi University of Technology |
Principal Investigator |
乾 義尚 Toyohashi University of Technology, 大学院・工学研究科, 准教授 (70168425)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
荒木 拓人 横浜国立大学, 大学院・工学研究院, 准教授 (90378258)
桶 真一郎 豊橋技術科学大学, 工学部, 助教 (20362329)
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Keywords | リチウムイオン二次電池 / 電圧過渡応答 / モデル化 / 交流インピーダンス / 等価回路 / 電力貯蔵 / ハイブリッド車 |
Research Abstract |
リチウムイオン二次電池を使用したハイブリッド自動車や小型分散電源用の蓄電装置の制御系を設計、開発するためには,電池の過渡応答を考慮に入れた動作特性シミュレータが必要となる。このことを考慮して,本研究では,リチウムイオン二次電池の劣化を考慮した過渡動作特性シミュレータを構築することを最終目的としており,本研究の初年度である今年度は,そのシミュレータの構築に必要となる電池の過渡動作特性を模擬する等価回路を,劣化していない電池を対象として決定した。具体的には,以下のことを行った。電池に微小な交流電流を加えて,それに対する端子電圧の応答を測定すると,電池内部の複素インピーダンスが計算できる(端子電圧に微小な交流電圧を重畳させて電流の応答を測定してもよい)が,その測定と計算を高周波から低周波まで種々の周波数で行い,複素平面上に軌跡を描いたものを電池の交流インピーダンス特性という。この軌跡中には抵抗と容量の並列回路で等価的に表現できる半円がいくつか重なったような部分があり,それが電極の反応抵抗と電気二重層容量を表しているので,本特性の詳細な分析により電極の良否が判定できる。そのため,この交流インピーダンス特性は,電池メーカーの開発者の間では従来から測定されていたが,それ以外の目的で使用されることはなかった。しかし,等価回路によりこの電池の交流インピーダンス特性を詳細に模擬することができれば,その回路は電池の過渡応答シミュレータとして使用することができる。このことを考慮して,本年度は,劣化していないリチウムイオン二次電池を対象として,種々の温度および充電状態のもとで交流インピーダンス特性を測定し,その結果を総合的に判断してリチウムイオン二次電池の過渡動作特性を模擬する等価回路を決定した。
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