2008 Fiscal Year Annual Research Report
リチウムイオン二次電池の過渡動作特性シミュレータの構築
Project/Area Number |
19360129
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Research Institution | The University of Shiga Prefecture |
Principal Investigator |
乾 義尚 The University of Shiga Prefecture, 工学部, 教授 (70168425)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
坂本 眞一 滋賀県立大学, 工学部, 准教授 (40449509)
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Keywords | リチウムイオン二次電池 / 電圧過渡応答 / モデル化 / 交流インピーダンス / 等価回路 / 電力貯蔵 / ハイブリッド車 |
Research Abstract |
リチウムイオン二次電池を使用したハイブリッド自動車や小型分散電源用の蓄電装置の制御系を設計・開発するためには,電池の過渡応答を考慮に入れた動作特性シミュレータが必要となる.このことを考慮して,本研究では,リチウムイオン二次電池の劣化を考慮した過渡動作特性シミュレータを構築することを最終目的としている.本研究の2年目である本年度は,前年度に劣化していないリチウムイオン二次電池を対象として行った,種々の温度と充電状態のもとでの交流インピーダンス特性の測定により得られた結果と,やはり昨年度に形状を決定した電池の等価回路を利用して,劣化していない電池の過渡動作特性シミュレーションコードを完成させ,その妥当性の検証を行った.具体的には,以下のことを行った.まず,種々の温度と充電状態におけるリチウムイオン二次電池の交流インピーダンス特性の測定結果を,等価回路にフィッティングすることにより,等価回路中の各素子の値を温度と充電状態の関数として決定し,その等価回路に基づいて劣化していない電池の過渡動作特性を計算するシミュレーションコードを作成した.次に,電池の充電状態がほぼ一定の場合と徐々に変化していく場合について,電圧過渡応答のシミュレーション結果を実際の電池を用いて行った測定の結果と比較することにより開発したシミュレーションコードの精度についての検証を行った.その結果,充電状態の変化の有無に関わらず,電池端子電圧の過渡応答のシミュレーション結果は測定結果とよく一致し,今回開発したシミュレーションコードは劣化していないリチウムイオン二次電池の端子電圧の過渡応答を十分な精度で計算可能であることを確認することができた.
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