2008 Fiscal Year Annual Research Report
ナノコンポジット材料による電力機器用電気絶縁材料の高性能化
Project/Area Number |
19360130
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Research Institution | Toyohashi University of Technology |
Principal Investigator |
長尾 雅行 Toyohashi University of Technology, 工学部, 教授 (30115612)
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Keywords | ナノコンポジット絶縁材料 / 電気的物性の解明 / 絶縁破壊 / 空間電荷 / 電気トリー / 伝導電流 |
Research Abstract |
近年の電力流通コスト低減の要求から、電力機器の小型化が進められており、絶縁系に加わる設計ストレスは材料の本質的な破壊ストレスに近づいている。その要求に応えるため、素材の性質の補強またはその改質を行う目的で添加剤・充填剤が高分子絶縁材料に配合される。最近ではナノテクノロジーが注目を集めており、国内外における高分子絶縁材料の分野でも粒径が数十nmであるナノ充填剤を混入させた高分子絶縁材料の研究が開始されている。本研究では、絶縁材料への適用を目指したMgOナノコンポジット絶縁材料の様々な絶縁特性を同一の研究機関において多方面から解明することを目的とした。 ランプ電圧下における絶縁破壊に至るまでの空間測定から、低電界においてはナノコンポジットは空間電荷が形成されるが、印加電界の上昇とともにその蓄積した空間電荷が減少することが明らかとなった。また、同一ランプ電圧下で測定した伝導電流値の測定から、上記した空間電荷が減少する電界付近で伝導電流値が急激に上昇することがわかった。これらの結果から、空間電荷が伝導電流値を決定している可能性が示唆された。 ナノフィラーの粒径を大きくしたマイクロコンポジットでは、ナノコンポジットでみられた、直流絶縁破壊の強さの上昇および体積抵抗率の上昇は見られなかった。さらには、ナノフィラー添加試料は耐電気トリーなどが優れ、直流のみならず交流においても無添加試料に比べ優位な電気特性を示すことなどがわかった。
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Research Products
(5 results)