2009 Fiscal Year Annual Research Report
A15型高磁場用超伝導材料の歪みによる反磁性および輸送電流特性劣化に関する研究
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19360135
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Research Institution | National Institute for Fusion Science |
Principal Investigator |
西村 新 National Institute for Fusion Science, 炉工学研究センター, 教授 (60156099)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
菱沼 良光 核融合科学研究所, 炉工学研究センター, 助教 (00322529)
西島 元 東北大学, 金属材料研究所, 助教 (30333884)
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Keywords | Nb3Sn / 超伝導 / 歪 / 通電法 / 磁化法 |
Research Abstract |
平成19年度に設計検討を行い,20年度に製作,試運転を行ったWalter's Spring型装置を用いて,臨界電流(I_c)の歪依存性を調べた。 内部スズ法によるニオブ・スズ(Nb_3Sn)線材を試料とした。未熱処理線材を熱処理用ボビンにWalter's Springの形状に合わせて15ターン巻き付け,650℃x240時間の超伝導生成熱処理を行った。熱処理後の線材をWalter's Springに取り付け,電極部のハンダ付け,歪ゲージ貼付け,電圧端子取り付けを行った。このWalter's Springを装置に取り付けた。さらに,磁化法による測定のためにピックアップコイルおよびキャンセルコイルを製作し,取り付けた。 実験は次の手順で行った。(1)ゼロ磁場で歪印加(2)15Tまで磁場を印加し,通電法によるI_c測定(3)ゼロ磁場まで減磁(4)0→5T→0のサイクルで磁化測定。この手順を,印加歪値を変化させて行った。 通電法によるI_cは印加歪に対して単調減少し,1%引張り歪印加時は当初I_cの12.6%まで劣化した。再びゼロ歪に戻すと73%まで回復したが,不可逆であった。これは,本試料にとって1%引張り歪がI_c可逆限界を超えていることを意味し,超伝導フィラメントが破断していることを意味する。 一方,磁化はキャンセルコイル信号が小さかったためにバックグラウンド磁化が残ってしまったために,ヒステリシス曲線からI_cを評価することは出来なかった。しかし初期状態(ゼロ歪),1%引張り歪印加時,1%引張り歪除荷後の磁化曲線に顕著な変化は見られなかった。つまり,I_c可逆限界以上の歪によって超伝導フィラメントが破断しても,磁化に変化は見られず,Nb_3Sn結晶粒内の超伝導特性には変化がないことを示唆する。
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Research Products
(5 results)