2009 Fiscal Year Annual Research Report
ヘリコン波励起プラズマスパッタ法による酸化亜鉛エピタキシーと微小共振器形成
Project/Area Number |
19360137
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
秩父 重英 Tohoku University, 多元物質科学研究所, 教授 (80266907)
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Keywords | ヘリコン波励起プラズマ / 酸化亜鉛 / 微小共振器 / エピタキシー / 電気・電子材料 / 励起子 / 励起子ポラリトン |
Research Abstract |
微小共振器ポラリトンレーザの実現は、新たな原理によるコヒーレント光の出現という学術的意義と、超低閾値化や未踏波長領域の光源実現という応用上の意義をあわせ持つ。酸化亜鉛(ZnO)をベースとした微小共振器構造の構築を目指し、H21年度はヘリコン波励起プラズマスパッタエピタキシー(HWPSE)法によるZnOと酸化マグネシウム亜鉛(MgZnO)混晶のヘテロ構造の形成、高品質化を行った。成長用基板には、前年度の経験を生かして水熱合成Zn極性ZnO単結晶基板を用いた。 MgZnO薄膜の表面が原子層レベルで平坦となる成長温度はZnOよりも高く、960℃以上の高温成長が適している事を明らかにした。この結果、薄膜のモゼイクの指標となるX線ロッキングカーブの半値幅が、基板の値と変わらないMg_<0.06>Zn_<0.94>O/ZnOおよびMg_<0.15>Zn_<0.85>O/ZnOヘテロ構造を形成することができた。また、MgZnOターゲットの純度が低いため期待薄であったものの、低温において二次元電子ガスによるシュブニコフ・ドハース振動と量子ホール効果的な磁気抵抗の変化が観測された事は、HWPSE法のポテンシャルを示すものであった。技術的にはMBE法に追いついたと言える。 上記と平行し、Nb添加(n型)TiO_2薄膜の、ガラス上へのHWPS製膜とGaN基板へのHWPSE成長を行い、比較的抵抗率の低いアナターゼ相TiO_2:Nb薄膜の堆積およびエピタキシャル成長に成功した。また、Ga添加ZnOやCu添加NiO等のn型、p型透明導電膜のHWPS薄膜堆積を行った。これらの技術を用いてMgZnO/ZnO等の分布ブラッグ反射鏡構造や量子井戸構造の形成が期待できる。
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