2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19360138
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
石川 靖彦 The University of Tokyo, 大学院・工学系研究科, 講師 (60303541)
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Keywords | 量子井戸 / 量子閉じ込め / 光物性 / 光源技術 / MBE、エピタキシャル |
Research Abstract |
本研究では、室温動作するSi/SiO2系1.5μm帯発光素子実現に向け、 ・ErをドープしたSi量子井戸をSOI構造を用いて作製 ・フォトルミネセンス測定により、ErドープSi量子井戸の発光特性を評価することを目的としている。 前年度までにSOIウエハを熱酸化により薄層化することで、2〜3nmの厚さのSi量子井戸構造を実現している。平成20年度は、熱酸化による薄層化プロセスに加えて、 (1)ErドープSiエピタキシャル成長と貼り合わせプロセス (2)SiO2上へのErドープ多結晶Si成長の2種類の方法を利用したErドープSi量子井戸の作製と評価を行った。量子井戸は、(1)の方法では単結晶、(2)では多結晶となる。 (1)については、ErドープSiエピタキシャル層の表面粗れが大きいことに起因して、貼り合わせの歩留まりが低く、量子井戸形成領域が1mm以下の非常に狭い領域に限られたため、発光評価に至らなかった。ErドープSi層の表面粗れの低減が重要である。 (2)では、多結晶ではあるがErドープSi量子井戸の作製に成功した。フォトルミネセンス測定の結果、Erの内殻遷移による1.54ミクロンの室温発光を得ることができた。Siの量子井戸化により温度消光が低減されるという本研究提案が実証できた可能性がある。ただし、Si量子井戸上のSiO2中に含まれるErが発光している可能性もあり、この判別が今後の課題である。
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