2008 Fiscal Year Annual Research Report
ナノスポット結晶化法による超高密度記録用バリウムフェライトパターン媒体の研究
Project/Area Number |
19360142
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
森迫 昭光 Shinshu University, 工学部, 教授 (20115380)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
劉 小晰 信州大学, 工学部, 准教授 (10372509)
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Keywords | フェライトナノスポット / 自己組織化下地 / スパッタ / フェライト薄膜 / 高密度記録媒体 / パターン化媒体 / 選択的結晶化 / 磁気記録媒体 |
Research Abstract |
本研究は化学的に安定で機械的強度に優れた六方晶フェライト薄膜を用いて、超高密度記録が可能なパターン媒体の開発するための基礎研究である。当該年度では、Al-Si相分離下地層上の非晶質六方晶フェライト(バリウムフェライトやストロンチウムフェライト)相をナノスポット的に結晶化させる技術の確立を目的とした。Al-Siの組成によってシリコンマトリックス中のAlドットの密度と大きさを制御可能である事がわかった。さらにこの下地層上にストロンチウムフェライト薄膜を基板加熱を施しながら形成し、微小スポット状の結晶化フェライトドット薄膜の形成を試みた。磁気特性の評価からは磁性体化している事が明らかになった。磁性体化した微小ドットが自己組織化的にパターン構造を形成しているか否かの評価は未だ行なっていない。しかし、試料振動型磁力計によるδMプロットからは各磁性粒子の磁気的な結合は静磁結合であり交換結合作用は認められなかった。この事は磁性粒子がナノドット状に形成されている事を示唆している。自己組織化下地層の検討の過程で金薄膜についても検討を加えた。金薄膜上に形成したストロンチウム薄膜の結晶化(磁性体化)温度は500℃程度で、通常の基板材であるSiO2/Si上での磁性体化温度は575℃以上であっ。それ故、ガラス基板上に金薄膜を形成し、金のナノスポットを形成し、この金スポット上のフェライトのみ結晶化する手法を確立した。金下地層の形成温度によりスポットサイズ、密度を制御可能であり、更にこの上に525℃付近での基板加熱により形成したストロンチウムフェライト薄膜は交換結合、静磁結合ともに極めて弱い状態であり、各磁気ドットは独立したものである事が予想された。本研究では実際の記録密度特性の評価には至らなかったが、本研究で特筆すべき点は六方晶フェライト薄膜を金薄膜下地を用いてガラス基板上に形成出来た事である。
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Research Products
(5 results)