2009 Fiscal Year Annual Research Report
高速成膜PLD法により作製した厚膜磁石の異方化と高性能・超小型モーターへの展開
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19360147
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
中野 正基 Nagasaki University, 工学部, 准教授 (20274623)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
福永 博俊 長崎大学, 工学部, 教授 (10136533)
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Keywords | 磁性 / PLD法 / 厚膜磁石 / 高速成膜 / エネルギー積 / マイクロモータ / ドロップレット / YAGレーザ |
Research Abstract |
本年度は「高エネルギーYAGレーザを用い作製する異方性Nd-Fe-B系磁石膜」において、更なる特性向上ならびにデバイスへの展開を図ると共に、異方性制御がより容易なSm-Co系厚膜磁石についても検討した。具体的な研究成果を以下に挙げる。 (1) Nd-Fe-B系異方性厚膜磁石において、Ga添加量を0.5at%に固定し、Nd含有量を変化させ作製したターゲットを利用したところ、Nd_<2.6>Fe_<14>B+Ga_<0.5>at%ターゲットを用いた際、残留磁化:0.95T、保磁力:876kA/m、(BH)_<max>:146kJ/m^3の値を実現した。加えて、上記の試料において成膜を終了した後、更に基板加熱のみをチャンバー内で継続し異方性厚膜磁石を作製したところ、継続時間を最適化することで角型性ならびに残留磁化、(BH)_<max>をより一層向上できることが明らかとなった。そのひとつの結果として、加熱継続時間を15分の条件で作製した際、残留磁化:1.05T、保磁力:617kA/m、(BH)_<max>:183kJ/m^3の値が得られており、本研究室で開発してきたNd-Fe-B系異方性厚膜磁石の磁気特性の中で最も優れた硬磁気特性の発現に至った。 (2) 上記の試料を新規なマイクロモータ(摩擦駆動型マイクロモータ)に搭載すると共に、その動作確認を行った。 (3) SmCo5ターゲットを利用し、基板加熱を施しながら高速成膜した際、400℃程度の比較的低い基板温度において面内異方性が発現するとともに、更なる基板温度の上昇に伴い、面内異方性が消失し等方性の厚膜磁石となる様子が観察された。しかしながら、更に基板温度を800℃程度まで増加させることにより、垂直方向に異方性が発現することが明らかとなった。
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Research Products
(10 results)