2007 Fiscal Year Annual Research Report
誘導ブリルアン散乱特性を考慮したホーリーファイバの性能評価法の確立とその応用
Project/Area Number |
19360150
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
小柴 正則 Hokkaido University, 大学院・情報科学研究科, 教授 (40101521)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
齊藤 晋聖 北海道大学, 大学院・情報科学研究科, 准教授 (20333627)
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Keywords | ホーリーファイバ / フォトニック結晶ファイバ / 高非線形ファイバ / 誘導ブリルアン散乱 / 音響モード / 有限要素法 |
Research Abstract |
ホーリーファイバは、従来の高非線形ファイバとは大きく異なる誘導ブリルアン散乱ゲインスペクトルを有しているため、ホーリーファイバの性能指数を評価するには、誘導ブリルアン散乱パワーしきい値を考慮する必要がある。この誘導ブリルアン散乱パワーしきい値を評価するには、まず、ホーリーファイバ中に存在するすべての音響モードを高精度で算出する必要がある。本研究では、ホーリーファイバの光学特性解析のためのベクトル有限要素法に基づく理論を音響モード解析に拡張した。光学モードの計算には、非物理的なスプリアス解の発生を回避するために、辺要素と節点要素とを混合使用したが、音響モードの計算には、節点要素のみを使用するとともに、アダプティブメッシュ自動生成アルゴリズムの開発もあわせて行った。また、ベクトル有限要素法によって算出された光学モードと音響モードとの重なり積分を利用して、ホーリーファイバの誘導ブリルアン散乱ゲインスペクトルを評価するための理論的検討を行った。このとき、ブリルアン線幅を実験結果と照合しながら決定する方法、任意の屈折率分布ならびに任意の断面構造を有する光ファイバに適用可能な誘導ブリルアン散乱ゲインスペクトルと誘導ブリルアン散乱パワーしきい値とを関係付ける方法についての検討も行った。さらに、ホーリーファイバの誘導ブリルアン散乱パワーしきい値とファイバ構造ならびにファイバ材料との関係を調査するとともに、ホーリーファイバと従来型高非線形ファイバとで、誘導ブリルアン散乱ゲインスペクトルが大きく異なることの原因究明のための基礎的検討を行った。
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