2008 Fiscal Year Annual Research Report
GHz帯縦振動を観測可能な2次元レーザプローブの開発
Project/Area Number |
19360154
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
橋本 研也 Chiba University, 大学院・工学研究科, 教授 (90134353)
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Keywords | 弾性表面波 / レーザープローブ / 干渉計 / 縦振動 / バルク弾性波 |
Research Abstract |
本研究では、これまで本申請者らが開発してきた弾性表面波(SAW)素子用2次元たわみ振動計測装置を基に、GHz帯微小縦振動を超高速に2次元計測するシステムの実現を目指す。具体的には、光学的検出手法として、これまでのナイフエッジ法に代わりサニャック干渉計の適用を試み、GHz帯でも高感度に縦振動が観測可能なことを示すと共に、この干渉計が低周波振動に鈍感なために高速2次元走査が可能なことを実証する。 本年度は、昨年度に開発された2次元計測システムに対して、明らかとなった2つの問題点の解決を目指した。 まず、焦点深度の浅い高倍率対物レンズを利用する際に僅かな測定対象の傾きで焦点ボケを発生する問題に対して、以下の解決法を開発した。まず、試料表面の複数点で焦点を合わせることにより、最初に試料の傾きを測定する。そして、この結果を元に、表面振動計測の際に、表面位置毎にレンズと試料問の距離を調整する。この手法により、100倍のレンズを用いて2.5GHzのSAW素子を観測し、本手法の有効性を実証した。 次に、高感度受信機の遅延時間に起因する観測位置と実際の座標との問のズレの問題に対して、座標位置を出力する信号も同一の遅延時間分だけ遅らせる方法を考案した。そして、実際にマイクロコントローラを利用してシステムを構成し、本手法の有効性を実証した。ただし、表面反射率計測回路と高感度受信機との問にも遅延時間に差があるため、この補正をしない限り、高速2時元走査をしながら表面振幅を絶対計測することは困難である。今後、この問題を解決し、表面振幅の絶対計測を可能としたい。
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