2009 Fiscal Year Annual Research Report
GHz帯縦振動を観測可能な2次元レーザプローブの開発
Project/Area Number |
19360154
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
橋本 研也 Chiba University, 大学院・工学研究科, 教授 (90134353)
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Keywords | 弾性表面波 / レーザープローブ / サニャック干渉計 / 縦振動 / バルク弾性波 |
Research Abstract |
本研究では、これまで本申請者らが開発してきた弾性表面波(SAW)素子用2次元たわみ振動計測装置を基に、GHz帯微小縦振動を超高速に2次元計測するシステムの実現を目指した。具体的には、光学的検出手法として、これまでのナイフエッジ法に代わりサニャック干渉計の適用し、GHz帯でも高感度に縦振動が観測可能なことを示すと共に、この干渉計が低周波振動に鈍感なために高速2次元走査が可能なことを実証する。 本年度は、まず、高倍率対物レンズを利用する際に試料表面の凹凸により焦点ボケを発生する問題に対して、以下の解決法を開発した。まず、レンズの高さを変えながら試料表面を複数回走査し、それに併せてサニャック干渉計出力の直流成分と高周波成分を同時に観測する。直流成分は表面の光学的反射率に対応するもののため、各走査位置に対して直流成分が最も強いレンズ高さを選び、その高さでの高周波成分を出力とする。これを全ての走査位置に対して適用することにより、全ての位置で焦点が合った観測像を得ることが出来る。この手法により、100倍のレンズを用いて2GHz帯の薄膜バルク波共振子(FBAR)素子を観測し、本手法の有効性を実証した。 さらに、本装置を利用して、2GHz帯のFBAR素子における音響的損失発生機構の解明を試みた。具体的には、高空間分解能であることを利用して、2次元フーリエ変換を駆使した波数空間での画像処理により伝搬モード毎に分離し、それらの振る舞いを調査した。そして、共振子端部でのモード変換により新たな伝搬モードが発生し、それが共振子外へのエネルギー漏れを起こしていることが明らかになった。この結果は、有限要素法を利用した数値シミュレーションの結果ともよく符合しており、本装置がFBAR素子等の動作解析に非常に有用であることが実証された。
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