2007 Fiscal Year Annual Research Report
シリコンカーバイドを用いた高密度用新型二端子抵抗変化型不揮発性メモリ
Project/Area Number |
19360156
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
須田 良幸 Tokyo University of Agriculture and Technology, 総合情報メディアセンター, 教授 (10226582)
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Keywords | 3C-SiC / 不揮発性メモリ / RRAM / 抵抗変化型RAM / 不揮発性RAM / 酸化膜 / 電子トラップ / フラッシュメモリ |
Research Abstract |
本研究で企画するメモリは、代表研究者が世界で初めて考案し、開発したSiC層を用いた新しい構造・新しい動作原理に基づく2端子型の抵抗変化型不揮発性RAM(RRAM)である。このメモリは、Si上にエピタキシー成長したSiC層を熱酸化することで形成した金属/SiO_2/SiO_x/SiC/Si/金属というMIS(金属-絶縁体-半導体)構造を有しており、SiCの酸化で形成される欠陥準位での電子の充放電で抵抗が変化する。本研究では、素子構造と作製プロセス条件、メモリ特性との相関、動作原理の解析の三位一体の把握を進め、全く新しい動作原理に基づいた、将来の中核となる低消費・高密度化2端子不揮発性メモリ(RAM)として、実用化の基盤技術を確立する。今年度は、基本構造設計技術の検討し、重要な構造制御として、適切な酸化膜の厚みのおおよその範囲を把握した。また、SiC層と酸化層が薄くなるにつれ閾値電圧が小さくなる傾向を把握し、素子構造と特性との相関の傾向を把握した。また、電子トラップ欠陥制御技術に関し、欠陥としてドナー性欠陥が主体であると考えられることが得られた。これは、ヒステリシスの制御に重要な結果である。また、いくつかの電極の仕事関数と特性と関係が得られた。電極とメモリ特性との相関を考慮しながら最適なメモリ特性を得るためのさらに詳細な電極形成法の探索に有効である。また、これまで、酸化やSiCの形成に1100℃以上の高温を用いてきたが、LSI MOSデバイスの850℃程度の形成温度に適合可能な酸化プロセスを考案して、メモリ特性が得られることを示した。さらに、1000℃以下の成膜が可能な方法で成膜したSiCを用いてメモリ特性が得られることを確認した。また、集積回路の構成に関して基本特許を2件出願した。以上、本メモリを展開する上で構造および作製法に重要な知見を得た。
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Research Products
(2 results)