2008 Fiscal Year Annual Research Report
シリコンカーバイドを用いた高密度用新型二端子抵抗変化型不揮発性メモリ
Project/Area Number |
19360156
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
須田 良幸 Tokyo University of Agriculture and Technology, 大学院・共生科学技術研究院, 教授 (10226582)
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Keywords | 3C-SiC / 不揮発性メモリ / RRAM / 抵抗変化型RAM / 不揮発性RAM / 酸化膜 / 電子トラップ / フラッシュメモリ |
Research Abstract |
本研究で企画するメモリは、代表研究者が世界で初めて考案したSiC層を用いた新しい構造・新しい動作原理に基づく抵抗変化型不揮発性RAM(RRAM)である。このメモリは、金属/SiO_2/SiO_x/SiC/Si/金属というMIS(金属-絶縁体-半導体)構造を有しており、作製が容易で、資源的に豊富な元素から成ることで環境に優しいという大きな特色を持つ。本研究では、素子構造と作製プロセス条件とメモリ特性との相関および動作原理の解析を進め、実用化の基盤技術を確立する。これまで、1000℃以上のSiC成膜と酸化プロセスを用いてきた。前年度は基本原理と基本特性を解析し、さらに、周辺LSI回路の製造プロセス温度である850℃程度でSiO_2/SiO_xの酸化2層構造が作製可能なプロセスを提案した。今年度は、このプロセスを用いて、実際に850℃のプロセス温度で、上記酸化2層構造が作製でき、メモリ特性を示すことを実証した。このプロセスで作製した場合、SiO_2の厚みの減少に伴って、ON(低抵抗状態)時の素子電流としてのトンネル電流が増加する傾向を把握した。また、直径100〜300μ程度の素子寸法の範囲では、電流密度の特性に変化のないことを示した。一方、もう一つの高温プロセスであるSiC成膜温度下げるために、スパッタ法を用いた3C-SiC成膜法を検討し、700℃で成膜したSiCとSiO_2層を用いてメモリ特性の得られることを実証した。本SiC膜ではFTIRの測定から3C構造のSiC結晶が形成されていることが示唆された。以上の結果は、LSI製造プロセス温度に整合した本メモリの作製法が提供できることを示している。以上、これまで提案している動作原理を補強する結果が得られ、また、実用化の可能な作製プロセスを実験的に提案することができた。
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