2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19360158
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Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
莅戸 立夫 University of Toyama, 理工学研究部(工学), 准教授 (00261149)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
工藤 博幸 筑波大学, システム情報工学研究科, 教授 (60221933)
佐々木 和男 富山大学, 理工学研究部(工学), 教授 (60042826)
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Keywords | ミリ波 / マイクロスコピー / 走査型近接場顕微鏡技術 / 高分解能 / プローブ / 画像化 |
Research Abstract |
通常の光学系,伝搬波を用いた画像化システムでは,画像分解能は用いる波の波長程度に制限されるが,走査型近接場顕微鏡技術を利用するとこの限界以下の分解能,すなわち波長よりも十分小さい分解能で物体を観察,画像化することが可能である。本研究は,電波の領域であるミリ波帯において,従来達成されている空間分解能を格段に改善し得る超高分解能プローブを開発して画像取得を実施すること,すなわち,超高分解能ミリ波マイクロスコピー(超高分解能ミリ波帯走査型近接場顕微鏡技術)を開発するとともに,ミリ波利用の新たな可能性を探索することを目的としている。本年度実施した具体的な研究事項及び結果,得られた成果を以下に示す。 研究代表者が開発を実施してきた金属導波管を用いたスリット型プローブを対象として,半導体プロセス技術によりシリコンを用いてプローブ先端部分を製作し,高分解能化に有効な微小スリット開口を形成することに成功した。ミリ波帯で本プローブの基礎特性評価を実施し,理論計算結果との良い一致を確認した。更に本プローブは,従来のスリット型プローブと比較して,高分解能かつ高感度での画像取得が可能なことを実験的に確認した。 本研究で高分解能化を実現するための第二の方法として提案する,ナイフブレードを用いた高分解能ミリ波マイクロスコピーに関する検討を実施した。ナイフブレードをプローブとして用いることにより,空間分解能5um(λ/1000)以下という,ミリ波帯では世界最高の分解能での画像計測に成功した。 以上の成果は,ミリ波帯における超高分解能画像計測技術の実用化に寄与するところが大であり,未だ十分でないミリ波帯電磁波の有効利用を促進し得るものと考えられる。
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