2007 Fiscal Year Annual Research Report
Si集積センサ構造上リボソームインタクト固定によるバイオセンサデバイス技術の検討
Project/Area Number |
19360162
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Research Institution | Kyoto Institute of Technology |
Principal Investigator |
野田 実 Kyoto Institute of Technology, 工芸科学研究科, 教授 (20294168)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
島内 寿徳 大阪大学, 基礎工学研究科, 助教 (10335383)
奥山 雅則 大阪大学, 基礎工学研究科, 教授 (60029569)
久保井 亮一 大阪大学, 基礎工学研究科, 教授 (40029567)
村上 修一 大阪府立産業技術総合研究所, 情報電子部, 研究員 (70359420)
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Keywords | リポソーム / 固定化 / 親水性 / 表面酸化 / SAM (self-assembled mono-layer) / バイオセンサ / 熱化学センサ / ボロメータ |
Research Abstract |
本年度は固体デバイス系へのリポソームのインタクトな固定化プロセスを実現することを研究目的として、リポソーム固定化基板側からのアプローチである、1)Siプロセスに適用できる無機材料での親水性が高い材料系の探索と表面親水化処理、2)Au/SAM(self-assembled mono-layer:自己集合単分子層)の親水的一次修飾表面プロセスのSiデバイスプロセスへの整合検討、を行った。その結果1)では、固定化するPt基板の表面酸化プロセスに応じて表面の親水性を制御でき、それに応じたリポソームのインタクト性、インタクトな保持特性・時間の変化が観測できた。酸化プロセスとしては酸素雰囲気中熱処理、酸素窒素雰囲気中熱処理、酸素プラズマ処理を用い、酸化状態評価は接触角測定、XPSを、インタクト性およびその時の相状態評価はAFM,XRDを用いた。表面酸化度の単なる増大はインタクト保持特性の向上には直結せず、最適な酸化プロセス条件・状態の存在が示唆された。現実的にセンサ検知体応用できるインタクト保持時間として10時間弱程度は現状プロセスで十分確保できることが判明した。尚、本手法で固定化したリポソームを用いた熱化学センサ(ボロメータ)を全体計画の前倒しとして作製を開始したところ、リポソームの相転移に対応する吸熱反応を定性的にも定量的にも妥当な結果として検出できた。2)ではAu/SAM構造として固定化実績のあるカルボキシチオールをPt表面に適用し、リポソームのインタクト性、インタクト保持特性を1)と比較して検討した。その結果、1)よりもリポソーム分子サイズの大きい状態で保持特性もさらに良好に固定化できることが観察された。Pt/SAMプロセスとSiバイオセンサプロセスとの整合性を今後検討したい。
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