2009 Fiscal Year Annual Research Report
Si集積センサ構造上リポソームインタクト固定によるバイオセンサデバイス技術の検討
Project/Area Number |
19360162
|
Research Institution | Kyoto Institute of Technology |
Principal Investigator |
野田 実 Kyoto Institute of Technology, 工芸科学研究科, 教授 (20294168)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
島内 寿徳 大阪大学, 基礎工学研究科, 助教 (10335383)
奥山 雅則 大阪大学, ナノサイエンスデザイン教育研究センター, 特任教授 (60029569)
久保井 亮一 大阪大学, 事務局, 特任教授 (40029567)
|
Keywords | バイオセンサ / マイクロナノデバイス / 脂質 / バイオ関連機器 / バイオテクノロジー |
Research Abstract |
1)リポソームを、シリコン集積回路上にintactに固定化できる固定化材料、固定化プロセスの観点は、Siデバイス用Pt基板表面上でリポソームは従来数十分以内には自己崩壊していたが、酸素雰囲気での表面酸化を進めることでPt最表面のPtOx化率が増えて親水性が大幅に向上した。これに対応してAFM観察結果におけるリポソームのインタクト(閉鎖球分子形状)保持特性は1日オーダーに改善できた。この相状態の経時変化をXRD評価した結果、上記リポソームではより液晶状態が保持されており、膜自体の流動性が優れ細胞膜本来の機能発現性が高くなることを示した。この結果センサ評価用リポソームとして使えるレベルになったので、2)固定化されたリポソームをSiデバイス構成要素とした用いたバイオセンサの観点では、(1)熱化学センサ(マイクロボロメータ)、(2)漏れ電流センサ(マイクロアンメータ)、(3)カンチレバーセンサを考案し試作検討した。(1)は前記リポソーム固定化保持状態を十分改善したPt膜基板がリポソームと対象バイオ分子との相互作用に伴う熱化学反応での吸発熱によるPt膜温度変化を検知するが、μMオーダーの対象バイオ分子リゾチーム、またアミロイドβ(アルツハイマー症原因物質)とDPPCリポソームの相互作用による吸熱反応を明白に検知できた。(2)ではDPPCリポソーム内にフェリシアン化鉄電解質を内包し対象バイオ分子との相互作用による内包分子の漏洩に伴う漏れ電流発生量を前記Pt膜電極間で検知するが、対象として同濃度のCABタンパク質を添加濃度対応性等を伴い十分に検出した。(3)では前記Pt膜電極上に固定化したDPPCリポソームの対象バイオ分子との相互作用に伴う重量・力変化による歪みを検知するが、前記アミロイドβ同濃度との相互作用では同線維伸長現象に対応する重量増加を従来のQCM測定結果と対応する経時特性として検出できた。
|