2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19360166
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Research Institution | Sophia University |
Principal Investigator |
野村 一郎 Sophia University, 理工学部, 講師 (00266074)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岸野 克巳 上智大学, 理工学部, 教授 (90134824)
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Keywords | 半導体レーザ / 緑色 / II-IV族半導体 / 分子線エピタキシー / 信頼性 / InP基板 / BeZnSeTe / 超格子 |
Research Abstract |
(1)BeZnCdSe活性層材料の検討BeZnCdSeを分子線エピタキシー(MBE)法を用いてInP基板上に成長させ特性を評価した。その結果、レーザの活性層として実績のあるZnCdSeと遜色のない発光特性が得られた。また、BeCdSeのボーイングパラメータが2.5eVであると見積もられた。 (2)MgZnSeTe nクラッド層材料の検討従来のBeZnSeTe活性層とMgSe/ZnCdSe超格子nクラッド層の組み合わせにおけるヘテロバリアの問題を解決するために、新たなnクラッド層としてMgZnSeTeを提案した。MgZnSeTeをMBE法を用いてInP基板上に作製し評価したところ、Mg組成が0.55以上で3.OeV以上の広い禁制帯幅が得られ、また塩素を用いたn型ドーピングにより10^16cm^-3台の実効ドナー濃度が得られた。これによりMgZnSeTeのnクラッド層としての可能性が示された。 (3)BeZnSeTeレーザ構造の解析活性層をBeZnSeTe量子井戸、バリア層をMgSe/BeZnSeTe超格子、nクラッド層をMgSe/ZnCdSe超格子、pクラッド層をMgSe/BeZnTe超格子としたレーザ構造において、導波路解析及びレーザ利得の理論解析によりしきい値電流密度の計算を行った。その結果、活性層厚を4nmとすることで800A/cm^2の低しきい値電流密度が見積もられ、実用レベルのレーザが実現できることが予測された。 (4)BeZnSeTe発光素子の作製と長寿命動作上記理論解析で用いた構造を実際に作製し、電流注入により評価した。その結果、530nm帯の緑色発光が得られ、直流電流駆動での寿命試験では4800時間の長寿命動作が確認された。これより、本研究で開発した材料及び素子の高い信頼性が示された。
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