2008 Fiscal Year Annual Research Report
移動通信におけるベイズ推定を用いた信号伝送システムの研究
Project/Area Number |
19360169
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
鈴木 博 Tokyo Institute of Technology, 大学院・理工学研究科, 教授 (00282864)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
府川 和彦 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 准教授 (00323775)
須山 聡 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 助教 (70334505)
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Keywords | 移動通信 / 同一チャネル干渉 / 時空間フィルタ / 最尤検出 / 最小BER規範プリコーディング / コードブック / 固有値分解 |
Research Abstract |
本年度は,(1)MIMO-OFDM下り回線における空間フィルタと最尤検出の縦続構成と,(2)MIMO-OFDM下り回線におけるプリコーディングに焦点を絞り,研究を行った.具体的内容は以下の通りである. 1)MIMO-OFDM下り回線において,同一チャネル干渉を時空間フィルタで抑圧した後,最尤検出を行う受信方式を提案した.まず,時空間フィルタのフィルタ係数は干渉と雑音の自己相関行列から導出できるので,提案方式ではこの自己相関行列と希望波のチャネルインパルス応答を推定する.初期推定は,受信信号と既知のプリアンブル信号との自己相関行列を固有値分解することで得られる.さらなる推定精度の向上のため,判定信号系列を用いてレプリカ誤差を時間平均することで干渉雑音の自己相関行列を更新する.計算機シミュレーションにより,劣悪な干渉条件においてもパラメータ推定の精度が向上し,良好なBER特性が得られることを示した. 2)上記の受信方式のBER特性をさらに改善するため,送信信号に線形処理を行うプリコーディング方式を検討した.受信側から送信側へのフィードバック情報量を削減するため,送受信で複数のプリコーディング行列の集合,即ちコードブックを共有し,受信方式のBER特性が最小となるプリコーディング行列を受信側で選択して,その行列のインデックスを送信側へフィードバックする.コードブックとして位相回転行列と回転行列の積を用いて,ブロック化したサブキャリア内では同一のプリコーディング行列を適用することにより,コードブックを用いない最小BER規範プリコーディングに較べて, BER特性の劣化を抑えつつフィードバック情報量を大幅に削減できることを計算機シミュレーションで明らかにした.
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Research Products
(31 results)