2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19360173
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
中野 博隆 Osaka University, サイバーメディアセンター, 教授 (90379107)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
長谷川 剛 大阪大学, サイバーメディアセンター, 准教授 (00294009)
笹部 昌弘 大阪大学, 工学研究科, 助教 (10379109)
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Keywords | 電子タグ / 衝突回避 / RFID / 高速読出し / FSA / 一括読出し |
Research Abstract |
大量の電子タグを同時に読み出す場合に電子タグからの応答が衝突して読み出しに失敗する衝突の回避法は重要な課題である。従来の衝突回避法は、電子タグがリーダからの読出し要求に対し、連続する読出しスロットの何れかを選ぶことにより回避していた。これに対して、1回の読出し毎にリーダが電子タグからの応答確率を指定するのが提案方式(応答確率制御法)である。応答確率制御法の読出し速度については従来方式よりも60%以上の高速化が可能なことが解析的に示されている。 本研究は実動作可能なハードウエアを用いてこの読出し速度高速化を確かめるものである。今年度は研究の第一段階として、無線部付組込み機器評価基盤を用いてリーダおよび電子タグの基本動作が可能なことを確かめた。無線部付組込み機器評価基盤としては微弱な電波を用いてアドホックネットワークが構成できるZigBee評価ボードを用いた。テスト用のサンプルソフトを改造してリーダと電子タグの基本動作が可能なことを確認した。さらに、電子タグの動作の基本となる無線部分の特性について詳細な調査を行った。調査した特性は、(1)伝送距離と正常読出確率の関係、(2)壁や天井などの環境が及ぼす伝送特性への影響、(3)読出し衝突と正常受信の関係である。既存の電子タグはコストを抑えるために振幅変調を用いているが、調査した評価ボードでは位相変調を用いている。このため、従来の電子タグ研究では無視しているキャプチャ効果(受信電力差がある程度あると強い電力を持つ信号が完全に受信される効果)が大きくでることが分かった。測定結果に基づき電子タグに位相変調用いるときの受信モデルを提案した。なお、キャプチャ効果が完全に無視できる評価系としては振幅変調を用いた評価ボードへの交換または現評価ボードにおいて受信電力情報を用いて多重受信を検出する方法を検討している。
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Research Products
(3 results)