2007 Fiscal Year Annual Research Report
高齢者の安全・安心を守るリスク検出・評価システムに関する研究
Project/Area Number |
19360181
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
橋本 和夫 Tohoku University, 大学院・情報科学研究科, 教授 (10431545)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
寺邊 正大 東北大学, 大学院・情報科学研究科, 准教授 (20431546)
タレブ タリク 東北大学, 大学院・情報科学研究科, 助教 (30431547)
永富 良一 東北大学, 大学院・医工学研究科, 教授 (20208028)
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Keywords | 高齢者福祉 / 安心安全 / QOL改善 / リスク検出 / リスク評価 |
Research Abstract |
本研究は,高齢者福祉分野のニーズを踏まえ,高齢者のリスクを検出・評価するシステムの構築を目的として,要素技術の研究と,住居や高齢者介護施設など屋内を対象としたプロトタイプシステムの研究開発を行なった. 初年度は(1)高齢者のリスク行動パターンモデル開発.(2)屋内における位置同定手法/移動予測手法の調査検討,(3)高齢者リスクマイニング手法の開発,を行なった. (1)虚弱高齢者の健康を脅かす要因の上位には転倒がある.そこで老人ホーム入居者(女性157名,平均年齢83.4才)を対象に,過去1年間の転倒頻度と関連のある生活要因の調査を行った.転倒経験がない100名と転倒経験がある57名の比較を行った結果,年齢や体格や心血管疾患や高血圧,高脂血症,糖尿病などの有病率には差が無く,認知機能や抑うつ傾向にも差はなかったが,身のこなし検査(TUGT)は非転倒者の平均値は15.3±1.6秒であるのに対して転倒経験者では18.6±1.6秒,また2分間の行距離は非転倒者が70.6±26.7mに対して転倒経験者は58.5±25.0mであり,転倒経験者は歩行機能の低下がみられるほかにTUGTについても劣っていることがわかった.過去1年以内に2回以上転倒を経験している場合とそうでない場合にはさらにその差は大きかった.したがって歩行補助具の使用にかかわらず転倒リスクには歩行機能およびそれに関連する身のこなしが強く関連していることがわかった. (2)Ultra Wide Band,無線LAN,RFIDなど様々な技術の事例調査を行ない,本研究の評価試験における導入可能性を評価した. (3)イベント系列から特徴的なパターンを発見する系列パターンマイニング,少ない教師データからの学習を可能とする学習法についての手法提案を行い,検討結果をまとめ論文投稿した.
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Research Products
(3 results)