2009 Fiscal Year Annual Research Report
高運動性能飛行船の外乱適応型自動制御システムの開発と実用化と屋外飛行実験
Project/Area Number |
19360191
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Research Institution | Nagoya Institute of Technology |
Principal Investigator |
山田 学 Nagoya Institute of Technology, 工学研究科, 准教授 (40242903)
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Keywords | 制御工学 / 航空宇宙工学 / 飛行船 / 風外乱抑制 / 適応制御 / 自動操縦 / 飛行実験 / 自動操船制御 |
Research Abstract |
本研究の目的は実用的な飛行船の自動航行制御システムを開発し,無人飛行船を用いた飛行実験により有効性を実証することである.平成21年度の具体的な研究成果は以下のとおりである. 1.外乱適応型アプローチ操船制御システムの実用化と飛行実による性能評価:実用性の向上のため,平成20年度の成果をシステムのロバスト化の観点から拡張した.具体的には,飛行船の物理パラメータに不確かさが存在してもシステムのロバスト安定性を保証し,さらに未知の風速・風速をオンラインで推定し,風外乱を受けても任意の希望の地点にすばやくかつスムーズに移動し静止できるロバストなコントローラの設計法を導出した.数値シミュレーションと自律飛行制御実験装置を用いた屋内飛行実験により有効性を検証した. 2.外乱適応型定点保持制御システムの飛行実による性能評:平成20年度で本研究代表者らは,外乱を受けても,飛行船をある与えられた領域内にとどめるコントローラの設計法を導出した,本年度では,有効性検証のためシミュレーションと屋内飛行実験を行い,提案法の有用性を検証し評価した.提案法を用いれば,風向をオンラインで推定し,その推定値を目標角度とし,常に船首をその目標角度に追従させながら,ある与えられた領域内に飛行船を保持できることを実証した. 3.高運動性能を有する飛行船の改良と性評価:まず,風速・風向計,3軸ジャイロ,GPSなどのセンサーを搭載し,無線LANによりデータを地上に無線送信できる小型飛行船システムにより飛行実験を実施し,飛行船の運動データの蓄積と解析を行った.その解析結果に基づき,屋外でも高運動性能を実現できる実験機を製作した.本システムは,高出力の電動プロペラを4基搭載することで風に対抗できる高い推進力をもち,さらにサーボモータによりプロペラの角度を自由に制御できるため,安定な発着陸や高度などの制御も容易にすばやく実現できるという特徴をもつ,屋内および屋外飛行実験にて有用性を検証した.
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