2008 Fiscal Year Annual Research Report
コンクリート構造物の収縮ひび割れの発生およびひび割れ幅予測システムの構築
Project/Area Number |
19360195
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Research Institution | Nagaoka University of Technology |
Principal Investigator |
下村 匠 Nagaoka University of Technology, 工学部, 准教授 (40242002)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 泰司 長岡技術科学大学, 工学部, 助教 (40377221)
青木 優介 木更津工業高等専門学校, 准教授 (70360328)
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Keywords | 乾燥収縮 / クリープ / 収縮ひび割れ / 有効ひずみ / 持続載荷 / 拘束収縮 / 自己収縮 / 水分移動 |
Research Abstract |
本研究の目的はコンクリート構造物の初期ひび割れ、とくにコンクリートの乾燥収縮、自己収縮に起因したひび割れの発生とその幅を予測する手法を、研究代表者の近年の研究成果に立脚して構築することである。 平成20年度には、乾燥収縮を受ける円筒型コンクリートの持続変形と応力を任意にプログラムコントロールできる載荷試験機が完成し、コンクリートの構成モデルの開発と検証の基盤となる独自の実験データを取得することに成功した。従来、JIS拘束収縮試験に代表される狭い条件範囲の拘束収縮挙動しか試験できなかったが、この装置を用いることにより、広い条件範囲、複雑な載荷経路の拘束収縮挙動が実験できるようになった。この試験装置は円筒型コンクリート供試体を用いることにより、供試体内の水分、ひずみ、応力分布が軸対称になり、水分移動解析、収縮応力解析との詳細な比較に適していることも特徴である。持続変形およびひび割れ応力に関する実験を行うことができるので、本科学研究費による研究の終了後も継続的な研究の発展に資することが期待される。 本研究の研究代表者らのこれまでの研究成果に基づき、コンクリート中のセメントペースト細孔組織中の水分移動および乾燥収縮モデル、骨材による収縮の拘束効果および体積希釈効果を考慮した複合構成モデルを用いた、コンクリート部材の収縮応力解析法を完成させ、その適用性をJIS一軸拘束収縮試験ならびに今回開発した持続載荷試験機による実験結果により検証した。コンクリートの収縮挙動および収縮応力の導入過程を、合理的、定性的、定量的に再現できることが明らかになった。とくに、乾燥を受けるコンクリートの剛性低下の大部分が、乾燥収縮の内部拘束による表面近傍の微視的ひび割れによるひずみ軟化を考慮することにより定量的に説明可能であることを明らかにした。
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Research Products
(3 results)