2008 Fiscal Year Annual Research Report
地震動の位相制御に基づく設計用地震動の革新的設定法と新しい性能設計規範の提案
Project/Area Number |
19360209
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Research Institution | Kobe Gakuin University |
Principal Investigator |
佐藤 忠信 Kobe Gakuin University, 学際教育機構, 教授 (00027294)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉田 郁政 武蔵工業大学, 工学部, 教授 (60409373)
舩木 伸江 神戸学院大学, 学際教育機構, 講師 (50434915)
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Keywords | 地震動位相 / 群遅延時間 / 回帰分析 / 地震動位相の模擬 / 位相差分 / 確率微分方程式 / 非整数ガウス過程 |
Research Abstract |
本研究の解析には、地震動の時刻歴が必要であるので、昨年度に引き続き、既存の地震動観測記録のデータベースを利用して、内陸地震でマグニチュード7クラス以上の地震動記録を抽出し、それらをデータベース化した。地震動の位相をモデル化するために、これまでは、位相を円振動数で一回微分した群遅延時間に着目し、円振動数ごとの不確定性がガウス分布で表現されると仮定し、群遅延時間の平均値と分散を地震のマグニチュード、震央距離、局所的な地盤条件の関数として表現し、回帰分析を行って回帰係数を決定してきた。本年度は群遅延時間の確率特性賀をガウス分布と仮定することの信憑性に関する考察を行った。その結果、位相差分(群遅延時間を離散時間間隔で積分した値)を非整数ガウス分布とする方が実際の地震動の位相特性をよくモデル化できることが判明した。そこで、非整数ガウス分布を規定するハースト指数の同定法を開発し、観測される地震動から計算される位相差分のハースト指数をデータベース化した。このデータベースに基づいて、ハースト指数の回帰分析を行うための準備を行った。位相差分が非整数ガウス分布で表現できるものと仮定して、それを模擬するための方法論を開発した。これを用いればサンプル位相差分が模擬でき、それを足し合わせることにより、地震動位相のサンプルを求めることができるので、このサンプル位相と観測地震動から計算されるフーリエ振幅とから、地震動を模擬し、開発した位相モデルの妥当性を検証した また、周波数領域での位相差分の変動特性が非整数ブラウン過程で制御される確率微分方程式で表現できるものとして、理論展開展開を行った。
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