2008 Fiscal Year Annual Research Report
植物根の生理特性を考慮した土壌重金属の移流分散モデルの構築
Project/Area Number |
19360211
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
佐藤 健 Gifu University, 工学部, 教授 (80135326)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
橋本 洋平 岐阜大学, 工学部, 助教 (80436899)
高見澤 一裕 岐阜大学, 応用生物科学部, 教授 (00159005)
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Keywords | 移流分散 / 重金属 / 植物 / 根圏 / ファイトレメディエーション / リン酸 |
Research Abstract |
平成20年度は,根圏微小域における鉛の移動と形態変化を主眼に研究を実施した.対象を射撃場鉛汚染土の修復に置き,自生する植物体根圏の鉛の形態解析を実施した.その結果,鉛の土中の存在形態として炭酸鉛が圧倒的に多いことが判明し,植物によっては析出態として鉛が存在するものもあることがわかった.今後のファイトレメディエーション実施においては高集積植物だけではなく,根圏での鉛形態の変化も考慮した植物選定の必要性が示唆れた.根圏微小域における有機酸機能を評価しようとしたが,有機酸の計測ができず,次年度への課題持ち越しとなった. 植物と不溶化資材を組み合わせた鉛汚染土壌の封じ込めを考察するために,酢酸とリン酸二カリウムを鉛汚染土壌に混合して溶出試験を行った.未規制物質のアンチモンにも着目して実験結果を考察し,酢酸とリン酸二カリウムの配合によっては鉛・アンチモンが溶出しやすくなることが判明すると共に,最適な配合としてリン酸二カリウム施用量を鉛/リン酸が5/7,酢酸溶液1.5mol/Lを含水比33.3%に調整することが最適であることを明らかにした.資材添加ごの汚染土壌に対する逐次抽出法から,不溶化効果は資材への吸着だけではなく酢酸による鉛再溶出/析出で一層確実な不溶化効果を発揮することを指摘した.特に鉛形態変化による溶解度の低い緑鉛鉱の形成は検証できなかったが,本研究の最終ゴールで次年度,再挑戦する予定である.
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Research Products
(3 results)