2008 Fiscal Year Annual Research Report
河川砂洲の樹林化の生態学的予測モデルの構築と実河川への適用
Project/Area Number |
19360219
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Research Institution | Saitama University |
Principal Investigator |
浅枝 隆 Saitama University, 大学院・理工学研究科, 教授 (40134332)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤野 毅 埼玉大学, 大学院・理工学研究科, 准教授 (70282431)
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Keywords | 樹林化 / レキ河原 / 河川環境 / ヤナギ / ニセアカシア / 砂州 / 河川管理 / 生態モデル |
Research Abstract |
本年度は、まず、樹木個体の生長を求めるために、樹木の生長量を光合成量から呼吸量、枯死量から差し引いて求める式を求め、この式にヤナギおよびニセアカシアに対して観測から求めたアロメトリーの関係を導入して、各項に現れる係数を同定した。これによって、樹木個体の生長モデルを作成した。 次に、2007年9月の洪水で流失・残存したヤナギ、ニセアカシア、ネムノキの結果を再整理し、樹木の流失の有無が砂州の洗掘深と高い相関が得られることを見出し、さらに、経験式を作成した。また、倒木・残存しているすべての樹木を再調査し、1年経過後における、倒木樹木の再生長の有無、倒木樹木からの萌芽の有無や数を調査し、これらの結果を倒伏角度の関数で表した。さらに、洪水によって冠水しなかった場所からの萌芽数を調査し、冠水しない場合の年間の萌芽数を見積もった。 以上の結果を基に、洪水を受ける砂州上の樹木群落を予測する数値モデルを作成した。また、これまでに開発していた多年生草本のモデル上で、砂礫層、砂層、細粒土壌層に生えているもののバイオマスを測定して、その結果を、転流を表す項に反映させて、草本群落の消長モデルも開発した。以上のようにして開発されたモデルを荒川大麻生の砂州に適用し、20年間の樹木、草本類のシミュレーションに成功した。 最後に、こうして得られたモデルを黒部川の砂州にも適用し、十分な予測が行えることを確認した。
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Research Products
(5 results)