2007 Fiscal Year Annual Research Report
浚渫窪地の環境影響の解明と新しい環墳マネジメント手法の提案
Project/Area Number |
19360220
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Research Institution | Yokohama National University |
Principal Investigator |
佐々木 淳 Yokohama National University, 大学院・工学研究院, 准教授 (50292884)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
柴山 知也 横浜国立大学, 大学院・工学研究院, 教授 (40143391)
高木 泰士 横浜国立大学, 大学院・環境情報研究院, 特別研究教員 (00422585)
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Keywords | 硫化物 / 無酸素水塊 / 東京湾 / 浚渫窪地 / 航路 / 平場 / pH / 数値モデル |
Research Abstract |
東京湾や三河湾をはじめとする大都市に隣接した内湾域には,埋立のための土砂を採掘した跡である浚渫窪地が点在している.浚渫窪地は著しい滞留海域となっており,初春から晩秋まで恒常的に大規模な無酸素水塊が存在する劣悪な環境にあり,しばしば青潮の発生源として認識されている.しかしながら,浚渫窪地の青潮影響には不明な点が多く,浚渫窪地の埋め戻しが効果的であるかどうかは未知数である.そこで本研究では浚渫窪地の青潮影響を科学的に解明することを目的とする.本年度はまず,東京湾奥部に点在する浚渫窪地において現地調査を実施し,多項目水質と硫化物濃度分布を明らかにした.さらにpHと底層1点の硫化物データから硫化物濃度の鉛直分布を推定する方法を新たに提案した.これにより,従来の採水調査に比較して,格段に簡便かつ精度を犠牲にすることなく,硫化物濃度分布を把握することが可能となった.得られた成果を用い,浚渫窪地の深浅測量結果と統合することで,浚渫窪地における硫化物総量の時系列を明らかにし,実際に発生した青潮との関連について考察した.次に,得られた硫化物動態の再現を目的とした数値モデルのプロトタイプを構築した.このモデルは流動モデルと硫化物を含む水質モデルから構成されており,現在,モデルの検証とそれに基づく改良を行っている.さらに湾口における境界条件の改良を含む,3次元流動モデルの改良を行い,任意期間の気象,潮位,河川流量に関する境界条件を抽出可能なシステムの構築と併せて,モデルの高度化を図った.
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Research Products
(2 results)