2008 Fiscal Year Annual Research Report
都市システムにおける経済集積・分散メカニズムに関する研究
Project/Area Number |
19360227
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
赤松 隆 Tohoku University, 大学院・情報科学研究科, 教授 (90262964)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
池田 清宏 東北大学, 大学院・工学研究科, 教授 (50168126)
河野 達仁 東北大学, 大学院・工学研究科, 准教授 (00344713)
織田澤 利守 東北大学, 大学院・情報科学研究科, 助教 (30374987)
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Keywords | 集積経済 / 人口移動 / 分岐理論 / 均衡選択 / 都市システム / 新経済地理学 |
Research Abstract |
本研究の第一の目的は, 新経済地理学で発展してきた都市集積理論を, 多数の都市・産業を扱いうる理論に一般化することである. H20年度の研究では, まず, H19年度に構築したN都市Core-Periphery(CP)モデル(N>2)に消費者の(立地選択に関する)異質性を導入した一般化モデルを構築した. そして, その均衡解の分岐パターンおよびメカニズムを系統的に解明した. 分岐解析の方法論として, H19年度に構築した解析法(群論的分岐理論と数値分岐経路追跡の併用)に加え,"空間的割引行列"の概念(集積により発生する経済外部性のspilloverが空間的にどのように減衰するかを表現する概念)に基づいた新たな解析的アプローチも開発した. このアプローチを用いることによって, 空間的な周期倍分岐に代表される多段階の対称性破壊分岐や一般化モデルで発生する集積の崩壊現象の具体的な仕組みが解析的に明らかにされた. さらに, CPモデルでは考慮されていない多産業モデルや知識経済化による集積効果を導入した応用プロト・タイプ・モデルを構築し, 数値実験により, 各モデルで生じる集積・分散現象の特性を明らかにし, 地域経済政策に対する含意を導いた. 本研究の第二の目的は, 都市集積モデルを確率動学的な枠組みに拡張し, その理論的な特性を明らかにすることである。H20年度の研究では, H19年度に構築した確率動学的な均衡モデルに加え, 社会的最適状態モデルを構築した. このモデルは確率的インパルス制御問題として定式化され, 変分不等式理論に基づく数値解法を開発した. 系統的な数値実験により, 最適制御ルールの特性, および, 均衡状態と社会的最適状態の相違が明らかにされた.
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Research Products
(12 results)